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名古屋・東海収益不動産ガイド

東海地方の不動産の注目エリア ②金山

 このメルマガでは、不動産に関する話題の合間に、
 東海地方の不動産の人気エリア・注目エリアについても
 ご紹介しております。
 その第二弾として、今回は金山をご紹介します。

 金山総合駅は、鉄道乗降客数は一日44万人と、
 東海地方では名古屋駅に次いで利用者が多いターミナル駅です。
 交通の便が良いことはもちろん、商業施設も文化施設も充実しています。
 今回は金山の歴史を振り返るとともに、
 金山の未来を見据えた再開発計画についても紹介します。

 

「金山」は尾張鍛冶発祥の地

 金山の名前の由来は、文字通り、金属と大いに関係があります。
 実は、金山は、昔は金属製品の生産が盛んな街でした。
 平安時代には、このエリアに鍛冶集団が住んでいたことから、
 「尾張鍛冶発祥の地」と伝えられています。

 桃山時代から江戸時代初期にかけては、
 「金山鐔(つば)」と呼ばれる鉄製の刀装具も盛んに作られ、
 一大生産地となっていました。

 金山駅から南へ300メートルほどのところに「金山神社」があります。
 この神社には鍛冶鋳造の神様が祭られていて、
 金山の名前は、この神社に由来しているといわれています。

 この神社の創建は約600年前。金属の生産が盛んだったころです。
 今でも、毎年11月に「ふいごまつり」というお祭りが執り行われ、
 名古屋市内の金属業者が集まります。

 

交通の利便性の高さ

 金山の交通の利便性が高まる大きな転機となったのが金山総合駅の
 誕生です。1989年の世界デザイン博覧会開催に合わせて整備されました。

 以前の金山駅はJR中央本線としての駅でしたが、
 JR東海道線も金山駅に停まるようになり、
 名鉄も従来の金山橋駅から現在の金山総合駅に移転しました。

 2004年には金山駅を通る名古屋市営地下鉄名城線の環状線が完成し、
 現在、金山総合駅には、JR中央本線・東海道本線、名鉄名古屋本線、
 名古屋市営地下鉄名城線・名港線のあわせて5路線が乗り入れています。
 名古屋駅へは最短3分、中部国際空港へは25分、名古屋港へも直結、
 という抜群の利便性の高さです。

 今後は、2027年に予定されているリニア中央新幹線の開通を見据えて、
 名古屋駅への利便性が高い金山の注目度が高まりそうです。

 

「アスナル金山」によって商業・交流拠点としての魅力を高めた金山

 かつての金山は商業施設や交流施設が乏しいエリアでした。
 1972年に名古屋市民会館(現日本特殊陶業市民会館)が金山駅近くに設立。
 1973年にダイエー金山店(元イオン金山店)が開業。
 1999年に金山駅前にボストン美術館や全日空ホテル(現ANAクラウン
プラザホテルグランコート名古屋)が入る金山南ビルが開業。

 近年、商業・交流拠点としての魅力を高めたのが、2005年、
 愛・地球博の開催にあわせて開業した複合商業施設「アスナル金山」です。

 金山総合駅北側に直結してレストラン、カフェ、雑貨店や
 高級スーパーマーケットなど約60店舗が軒を連ね、
 バスやタクシー乗降場、駐車場や駐輪場も整備されています。
 施設内にあるステージではライブなどさまざまなイベントも開かれます。
 若者や女性など新たな客層の獲得にも成功し、
 来客数は開業当初より3割増えて年間約500万人が訪れています。

 アスナル金山は当初、2020年3月までが事業期限でしたが、
 名古屋まちづくり公社は2017年9月1日に、
 2028年2月末まで名古屋市との契約を延長し、
 2020年春に大規模リニューアルをすると発表しました。

 

再開発で金山はどう変わる?

 名古屋市は金山総合駅周辺の活性化を図ろうと、
 金山総合駅北側を中心に約41ヘクタールの再開発計画を検討しています。

 名古屋市は2017年3月に次のような再開発構想を発表しました。
 ・日本特殊陶業市民会館を隣接の古沢公園に移転。
 ・市民会館の跡地に大型商業施設を誘致し、
  古沢公園の代わりの公園も整備。
 ・「アスナル金山」を解体し高層ビルを建設。
 ※先の名古屋まちづくり公社の発表より
  「アスナル金山」は2028年2月末までは存続する見込みです。

 低層階には、バスターミナルやタクシー乗り場、駐輪場、
 災害時の避難場所にもなるオープンスペースなどを整備。

 現段階では時期や事業者は未定で、地元の合意形成などの
 課題もありますが、名古屋市は、2027年のリニア中央新幹線開業を
 見据えて、これらの再開発計画を進めたいとしています。
 この再開発によって、金山エリアの人気はさらに高まると予想されます。

 

 <金山の地価情報>

 ・金山の2017年地価公示価格の平均は58万1777円/㎡、
  坪単価192万3232円/坪、前年比は+13.48%の上昇。

 ・金山の最も高い価格地点は【名古屋市中区金山4-6-27】で
  170万0000円/㎡、坪単価は561万9834円/坪、
  前年比+21.43%の上昇。

 

 【出典】

 ・名古屋市計画局(1992)「なごやの町名」
 ・OKB総研2016年1月「REPORT 2016」160号
  「次代の名古屋を支える副都心、金山の可能性」(江口忍)
  https://www.okb-kri.jp/_userdata/pdf/report/160-eguchi.pdf
 ・「金山駅周辺まちづくり構想」 平成29年3月 名古屋市
 ・名古屋まちづくり公社「金山地区のまちづくりについて」 
  http://www.nup.or.jp/outline/local/kanayama_development/index.html

 

この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2017年9月11日発行分の転載です。