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名古屋・東海収益不動産ガイド

東海地方の不動産の注目エリア(27)桑名市

桑名駅

 三重県の北部に位置する桑名市は、木曽川、長良川、揖斐川の
 木曽三川の河口に位置し、古くから交通の要衝として栄えました。
 2004年に桑名市、桑名郡長島町、多度町の3市町村が合併をして、
 現在の形となりました。
 日本有数のテーマパークを抱える県内屈指の観光都市でもあります。
 今回は桑名市についてご紹介します。

 

桑名の歴史

 律令制が整えられた時代、土地や人々は国のものとなり
 各地方に役所が置かれ税の制度も統一されました。
 「桑名」「野代」「額田」「久米」など、その当時の行政区の名称が
 市内の地名となって残っています。

 平安時代からは、主に京都及びその周辺で生産されていた
 物資を集めて販売する中継拠点となりました。

 室町時代には商人たちによる自由都市が形成され、
 堺、博多、大湊と並ぶ日本屈指の港湾都市となり、
 商業、海運の中心地として繁栄しました。

 戦国時代には長島の願証寺を中心として一向宗の一大拠点が形成され、
 一向宗門徒らによる自治が行われていましたが、
 織田信長によって鎮圧されると、織田家臣の瀧川一益が
 長島城に入り、天守を築きました。

 江戸時代には桑名藩11万石は
 東海道五十三次の42番目の宿駅・桑名宿となりました。
 東海道が熱田から桑名までが七里の渡しによる海路となり、
 桑名は北勢の玄関口として栄え、東海道の宿駅の中で
 旅籠数では2位、脇本陣数では1位の規模を誇りました。

 しかし、明治時代になると鉄道の発達などにより
 宿場町としての機能が失われていきました。

 昭和20年7月には2度の空襲によって町の90%が消失し、
 宿場町の佇まいは姿を消しました。

 1959年(昭和34年)には伊勢湾台風で大きな被害が生じ、
 長島町はほぼ全域が水没しました。

 1963年(昭和38年)に長島町で大谷天然瓦斯が
 天然ガスの探査中に温泉が湧出しました。
 そこで長島観光開発が設立され、温泉を利用して
 共同浴場やホテルを作り、
 1964年にはグランスパー長島温泉(現「湯あみの島」)が開業、
 1966年には遊園地ナガシマスパーランドが開業しました。

 

幅広い世代に人気のレジャーランド

 現在のナガシマリゾートは、ナガシマスパーランドを中心に、
 年間1500万人以上が訪れる、東海地方で最も集客力がある行楽地です。

 ナガシマリゾートを構成する施設としては、
 絶叫マシーンが有名な遊園地の「ナガシマスパーランド」、
 乳幼児向け施設の「名古屋アンパンマンこどもミュージアム」、
 商業施設の「ジャズドリーム長島」、温浴施設の「湯あみの島」、
 ホテル(ホテル花水木、ガーデンホテルオリーブ、ホテルナガシマ)、
 花のテーマパーク「なばなの里」があります。

 このように、子どもからお年寄りまでが楽しめる複数の施設を
 集積させたことで、幅広い世代が楽しめる
 レジャーランドとなっています。

 

名古屋まで20分、ベットタウンとしても人気

 三重県と愛知県の県境にある桑名市は、交通のアクセスが良好です。
 自動車では名阪高速道路で名古屋市まで約30分、
 国道23号・国道1号経由で四日市市まで約30分で行くことができます。

 公共交通機関では、JR・近鉄とも、
 桑名から名古屋まで30分弱、
 桑名から四日市までは約10分~15分で移動が可能です。
 そのため桑名市は名古屋圏や四日市市のベットタウンとなっています。

 

市内の企業・産業

 市内には、諸戸ホールディングス、サンジルシ醸造、柿安本店、
 MIEコーポレーション、長島観光開発などの本社が立地します。

 桑名の代表的な地場産業として、鋳物製造があります。
 桑名には約34社の鋳物工場があり、1,300人以上が従事しています。
 製造される鋳物製品は多種にわたり、日用品、産業機械器具部品、
 土木建築用資材(マンホールなど)、電動機器部品などがあります。

 農産物では、トマトやナバナ(アブラナ)など野菜の栽培が盛んです。
 他に、平野部では水稲、麦、花卉、丘陵部ではみかん、タケノコなどが
 生産されています。

 

桑名市の地価上昇地点

 桑名市は、2019年7月1日現在の地価調査(三重県)によると、
 商業地の価格上昇率では、三重県の中で
 第3位に桑名市寿町2丁目10番外(前年比2.2%上昇)が
 ランクインしています。

 住宅地の価格上昇率では、三重県の中で、
 第3位に桑名市松並町2丁目6番19(前年比2.0%上昇)、
 第10位に桑名市三栄町20番(前年比0.5%上昇)がランクインしています。

 これら3地点はいずれも桑名駅付近または徒歩圏内の地点です。

 このように、桑名市は、
 名古屋圏や四日市市のベッドタウンとしての不動産需要と、
 ナガシマリゾートや市内産業の求人需要を背景に、
 桑名駅周辺においては、不動産需要は当面安定していると考えられます。

 

 【参考】

 ・桑名市 http://www.city.kuwana.lg.jp/index.cfm/1.html
 ・桑名市観光ガイド http://kanko.city.kuwana.mie.jp/
 ・ナガシマスパーランド https://www.nagashima-onsen.co.jp/spaland/
 ・中日新聞オピリーナ 2019年5月23日 東海3県の主要集客施設ランキング
  https://opi-rina.chunichi.co.jp/topic/20190523-3.html
 ・三重県農村くらし応援ガイドブック みえいろ
  http://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000774598.pdf
 ・百五銀行 すばらしきみえ ふるさと再発見 第7回 三重県
  https://www.hyakugo.co.jp/mie/img/subamie_2504_3.pdf
 ・三重県の土地価格〔令和元年三重県地価調査〕
  http://www.pref.mie.lg.jp/SHIGEN/HP/000230690.htm

 

この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2020年2月25日発行分の転載です。