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名古屋・東海収益不動産ガイド

東海地方の不動産の注目エリア(37)熱田

名古屋鉄道 名古屋本線 神宮前駅

 熱田神宮は、平年は年間700万人以上が訪れる
 名古屋を代表する人気の観光地です。

 熱田神宮の最寄り駅は次の通りです。
 熱田神宮を中心にすると東に約300メートルのところに
 名鉄名古屋本線・名鉄常滑線の「神宮前」駅。
 北に約500メートルのところにJR東海道本線の「熱田」駅。
 北西約300メートルのところに地下鉄名城線の「神宮西」駅。
 南に約500メートルのところに地下鉄名城線の「伝馬通」駅。

 名鉄の「神宮前」から名鉄名古屋駅までは特急で約7分、
 地下鉄名城線の「神宮西」から「栄」は約12分と、
 名古屋都心へのアクセスも良好です。

 熱田神宮周辺のエリアは近年、住宅地としても注目されています。
 「SUUMO住みたい街ランキング2020 愛知県版/名古屋市版」では、
 「神宮前」は名古屋市民が住みたい街(駅)の25位に選ばれています。

 今回は熱田エリアについてご紹介します。

 

熱田の歴史

 熱田神宮は、三種の神器の一つであり、古事記にも伝えられている
 草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)を祀る神社として知られています。

 諸説ありますが、熱田神宮のホームページによると、
 草薙神剣を熱田の地に祀ったのは西暦113年、
 神社としての創起は119年と言われています。

 西暦700年頃の古地図を見ると、
 尾張地域は海が入り組んだ地形で、半島や島が点在しています。
 猿投山から連なる半島が海に向けて西に延びており、
 そこから南に突出した岬の先に熱田神宮が祀られていました。

 熱田の杜は、美しい松林に囲まれ、海に突き出して見えたことから、
 「蓬莱島」だと言われていました。
 熱田は古代から鳥居前町・宿場町であり、
 海岸には海産物の市場が開かれて栄えました。

 やがて河川からの土砂の堆積により、
 尾張地域の海だった部分の多くは湿地帯が多い沖積平野となり、
 島や半島だった部分は高台・台地となりました。

 1560年に織田信長は桶狭間の戦いの前に熱田神宮に戦勝を祈願し、
 今川義元を破ったために、そのお礼として塀を奉納しました
 その「信長塀」が今も残っています。

 徳川家康が江戸幕府開府(1603年)の前に五街道を整備し、
 1601年に東海道に53次の宿駅が設置されると、
 宮宿(熱田)は江戸から数えて41番目の宿となり、
 宮宿と桑名宿の間は海路「七里の渡し」で通行することになりました。

 家康は1606年に名古屋城築城と清州から名古屋への遷府を命じます。
 名古屋城は熱田台地の北端に築城され、熱田台地の西側を沿って
 名古屋城から熱田まで堀川が開削されました。

 熱田は、熱田神宮だけでなく寺院も100カ所ほどある寺町でもあり、
 七里の渡しや十里の渡し(熱田と四日市を結ぶ)の拠点、
 伊勢湾から堀川を通って名古屋城下に入るための湊町でもあったため、
 江戸時代には日本一の宿場町となるほど大いに発展しました。
 1800年代前半には旅籠が250軒近く並んでいたそうです。

 江戸時代後期になると、米の増産のために伊勢湾が干拓され、
 熱田の南側に向けて陸地が広がりました。

 明治時代に入ると宿駅制度が廃止され、
 1886年に東海道線が名古屋まで開通すると、
 熱田の交通の要衝としての役割は次第に失われていきました。

 現在、熱田は熱田神宮への参拝客が訪れる観光地として知られており、
 年間700万人以上が訪れます。
 宿場町や湊町としての面影も街中に残されています。

 

神宮東公園

 神宮前駅から東に約300メートルのところに位置する公園。
 南北に広がる作りで、南側・北側それぞれに散策コースがあり、
 色とりどりの草木を観察しながら散歩を楽しむことができます。

 大小様々な広場には、芝生公園、児童向けの遊具がある広場のほか、
 大人向けの健康増進広場や、ボール遊び向けの球技広場もあります。
 テニスコートは予約して借りることもできます。

 公園に隣接して熱田プールや名古屋市体育館等があります。
 熱田プールは例年、夏になると子どもたちで賑わい、
 名古屋市体育館は様々な室内競技の試合が行われます。

 

熱田の商業施設

 熱田には次のような商業施設があり、日常的な買い物需要を満たします。

 ・パレマルシェ神宮
   名鉄神宮前駅の駅ビルの1階から5階部分の商業施設です。
   食品、衣料、靴、眼鏡、呉服、書籍、雑貨、ギフト、仏具のほか、
   銀行ATM、カフェ、美容室、眼科、歯科などのテナントがあります。
   なお駅ビル6階には名鉄カルチャースクールがあります。

 ・イオンモール熱田
   2003年にオープンした、近隣の中核的な商業施設です。
   名鉄神宮前駅から北に1400メートルほどのところにあり、
   最寄り駅としては金山駅になります。

   商業施設は1階~4階、商業施設面積は62,237平米。
   イオン熱田店と150の専門店がテナントとなっています。
   3,200台分の駐車場があります。

 ・ミュープラット神宮前
   2021年7月に神宮前駅の東口に直結して開業予定の複合施設です。
   コンセプトは「おとなの住みたいまち」。
   1階から4階は商業施設、高層階は賃貸マンション(メリブ神宮前)。
   物販、サービス、飲食など26店舗が出店予定です。

 

検討が進む再開発計画

 熱田神宮駅前地区は1991年に再開発計画が頓挫し、
 長く塩漬け状態が続いていました。

 しかし2020年7月に、神宮前駅西口では、
 地権者や名古屋市で構成される熱田神宮前地区まちづくり協議会が
 「熱田神宮前地区まちづくり構想」を発表しました。

 市の遊休地に観光バスターミナルを整備し、
 シャッター街になっている商店街をまとめ、
 商業と住宅の複合施設を複数棟建てる案もあります。
 またイベントができる広場の確保や、
 商店街の裏通りにある「神宮小路」の耐震補強も検討されています。

 また、名鉄は老朽化した神宮前駅ビルや周辺の再開発を検討しています。
 熱田神宮の鳥居前町らしい飲食店や土産物店、駐車スペースが
 乏しいことが課題であり、これらを解決するとともに、
 熱田神宮参拝客の回遊性を高める再開発が期待されています。

  

 

 さて、今回は熱田神宮周辺についてご紹介しました。
 今後、ご紹介したような再開発計画が実現することで、
 熱田エリアの魅力がますます高まることが期待されます。

 

 【参考・引用】

 ・「SUUMO住みたい街ランキング2020 愛知県版/名古屋市版」を発表
  https://www.recruit-sumai.co.jp/press/2020/05/suumo2020-3.html
 ・熱田神宮 http://www.atsutajingu.or.jp/jingu/
 ・神宮東公園 https://parkful.net/2016/04/jinguhigashi-park/
 ・ミュープラット神宮前 https://s8000.works/archives/19197
 ・at home https://www.athome.co.jp/town-library/aichi/jingumae-st/
 ・建通新聞 2020年7月10日
  「協議会がまちづくり構想 市有地部に住宅・商業・複合開発へ」
 ・日本経済新聞 2020年12月3日
  「シャッター外を門前町に 年700万人集う熱田神宮周辺」

 

この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2021年2月15日発行分の転載です。