
甚目寺観音
甚目寺駅は、あま市甚目寺にある、名鉄津島線の駅です。
特急をはじめ全列車が停車し、
あま市内では最も乗降人員が多い駅です。
名鉄名古屋駅までは最短で約12分と、
名古屋都心へのアクセスも良好。
名古屋第二環状自動車道甚目寺ICもあり、
車での移動もしやすいです。
甚目寺駅の周辺には住宅地が広がっています。
甚目寺駅からは、あま市役所甚目寺庁舎も近く、
駅周辺は、駅前にあるヨシヅヤ甚目寺店をはじめ、
スーパー、ドラッグストア、コンビニ、飲食店等も充実。
あま市民病院や好生館病院も近くにあるため、暮らしやすい環境です。
甚目寺観音(鳳凰山甚目寺)
甚目寺駅から南西に300メートルのところにあるお寺です。
はじまりは西暦597年と言われている、国内有数の古刹です。
三重の塔、南大門、東門は国指定重要文化財です。
・甚目寺の歴史
597年に伊勢甚目村(いせはだめむら)の漁夫の龍麿が、
江上庄の入り江(現在の甚目寺の東南約200メートルあたり)
で漁をしていたときに、網に黄金の観音像がかかりました。
喜んだ龍麿は入り江の北にお堂を建てて像を納めました。
これが甚目寺の始まりと言われています。
甚目寺は7世紀中ごろ、天智天皇より宝鏡を下賜され、
679年に天武天皇から鳳凰山の額を勅賜しました。
その後盛衰があり、何度も地震の被害を受け、再建・復興が
繰り返されてきましたが、豊臣秀吉公や徳川義直公をはじめ
歴代統治者の手厚い保護と、地域住民の篤い信仰を得て、
尾張四観音寺の筆頭として栄えてきました。
1610年に徳川義直公により名古屋城が築城され、
名古屋の城下町が整備された際に、
鬼門にあたる4方角からの邪気を防ぐための四観音が設定されました。
その一つが甚目寺(北)です。
他に、笠寺(南)・龍泉寺(東)・荒子(西)が
四方の四観音に設定されました。
年の恵方に近い観音様は「恵方観音」と言われ、
参拝すると強いご利益を得られると言われていました。
・現在の甚目寺観音
現在、節分の時期には、「甚目寺観音 節分会」という
豆まき行事が毎年行われていますが
(2021年2月2日はコロナ禍のため中止)、
恵方の年にはより盛大になります。
恵方は、甚目寺、笠寺、龍泉寺の間で回されます。
毎月12日には境内で「甚目寺観音暮らしの朝市」が開催されます。
おしゃれな雑貨や飲食店などの出店が50前後も集結し、
多くの人で賑わいます。
・本堂
現在の本堂は1992年に再建されたものです。
本堂には十一面観音像が祀られており、
その胎内仏として龍麿の網にかかった観音像が納められています。
十一面観音像は厳重秘仏であり、50年に一度御開帳されます。
・南大門(国指定重要文化財)
南大門は国指定重要文化財に指定されています。
現在の南大門は源頼朝の命により1196年に再建されたもので、
愛知県内最古の楼門の遺構とされています。
三間一戸の楼門で、屋根は入母屋造のこけら葺です。
下層の中央を通路とし、その両脇後方には福島正則より
寄進された運慶の作と言われる金剛力士像が安置されています。
・三重塔(国指定重要文化財)
国指定重要文化財の三重塔は1627年に再建されました。
高さ25mです。中には愛染明王が祀られています。
・東門(国指定重要文化財)
東門は1634年建立と言われ、銅版葺、四脚門、切妻造という
桃山時代の様式を残しています。
甚目寺歴史民俗資料館
甚目寺観音の近くにある資料館。
室町時代の甚目寺境内の模型をはじめ甚目寺観音に関する資料、
伝統的な祭礼や伝統芸能にまつわる資料やビデオガイドコーナー、
そのほか、周辺地域の発掘調査による出土品や、
産業や暮らしに用いた道具などが展示されています。
大徳院
甚目寺観音の隣にあり、
甚目寺観音と同時期の598年に創建された古い寺院。
地泉院(稲沢市)、西福院(稲沢市)とともに
「尾張三霊場」と呼ばれる真言宗智山派の寺です。
西暦1196年(建久7年)には、
地域住民の加護と繁栄を祈念するために源頼朝によって
恵比寿天と大黒天のニ尊像を奉安されました。
五穀豊穣・漁業繁栄の祈願所として深く信仰を集め、
各地より参拝者が訪れています。
さて、歴史ある寺社の周囲に広がる住宅街であり、
名古屋都心へのアクセスもよく、生活環境が整っている甚目寺は、
今後も暮らしやすい町でありつづけることでしょう。
【参考・引用】
・鳳凰山甚目寺(甚目寺観音) http://www.jimokuji.or.jp
・あま市 国指定重要文化財 https://tinyurl.com/53frux5t
・全国見るナビ https://tinyurl.com/yw697hjy
・甚目寺歴史民俗資料館
https://www.city.ama.aichi.jp/shisetsu/1004076/1004566/1004108.html
・大徳院 https://www.ebisu-daitokuin.jp/about/
この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2021年11月15日発行分の転載です。