
荒子川公園
今回は、名古屋市港区にある名古屋臨海高速鉄道「あおなみ線」
の駅、港北駅と荒子川公園駅の周辺についてご紹介します。
かつて名古屋市港区正保町5丁目にあった名古屋競馬場は、
2022年4月に愛知県弥富市に移転しました。
名古屋競馬場に隣接していた「あおなみ線」の駅の名称は
「名古屋競馬場前駅」でしたが、
令和4年3月12日から「港北駅」に変更されました。
名古屋競馬場跡地の再開発
名古屋競馬場跡地は約15ヘクタールの面積があります。
名古屋市内で、鉄道の駅に隣接する土地として、
これだけ広大な土地が再開発される機会はそう多くありません。
2026年には、愛知県および名古屋市で第20回アジア競技大会が
開催されます。メイン競技場は瑞穂公園陸上競技場です。
これに出場する選手や大会関係者の約1万5千人が収容可能な
選手村がこの跡地に整備される予定です。
アジア競技大会の終了後は、この跡地は
中部電力を中心とする事業グループによって再開発され、
商業施設や分譲マンション、高校などが整備される予定です。
2028年頃のまち開きを予定しています。
再開発グループの事業者は次の通りです。
中部電力(代表法人)、中電不動産、日本エスコン(不動産総合開発)、
マザーズ(老人ホーム、旅館運営)、矢作地所、大和ハウス工業。
当初、再開発グループには同朋学園(名古屋市中村区)が
参加しており、この跡地に同朋大学が移転する予定でした。
しかし、隣接する区画に場外馬券売り場が設けられることに
学園の一部の理事が反発し、大学移転を断念して、
同学園は事業グループからも離脱してしまいました。
2022年3月、同朋大学の代わりに、
学校法人尾関学園(豊田市)が運営する誉高校(小牧市)が
この跡地に移転すると発表されました。
誉高校は1983年に開校した、小牧市唯一の私立高校です。
移転の理由として、港区と隣接の中川区で合わせて約36万人の
人口があるのに対し、私立の高校が1校もないことを挙げ、
「厳しい少子化の中でも高校を存続させていける」と説明しています。
現在は募集を停止している商業科などの再開や新学科の設立により、
小牧市の現校舎を存続させることも検討しているようです。
2029年4月の開校を目指しています。
再開発のゾーニングについて、
跡地を北東、北西、南東、南西にほぼ4分割にして説明します。
北東の区画Aは「賑わいゾーン」として、
複合商業施設や屋上広場、駐車場が設けられます。
北西の北側の区画Bは複合商業施設の駐車場。
北西の残りの区画C~Eは「住まいゾーン」「憩いゾーン」として、
分譲マンション、戸建て住宅、高齢者福祉施設、障害者施設、
クリニックモール、レストラン、農園などが予定されています。
南西の区画F~Jは「学びゾーン」として、
高校、大学施設、図書館、民間研究機関、産学連携拠点、
エネルギーセンター、スポーツ施設、幼稚園、留学生寮が
予定されています。
南東の区画は新たな場外馬券売場となります。
荒子川公園
荒子川公園は、荒子川の両岸に南北1キロメートルにわたって
広がる、面積およそ26ヘクタールの総合公園です。
あおなみ線の「荒子川公園駅」はこの公園の敷地内にあります。
ラベンダー園は、名古屋市内で最大級の規模を誇ります。
6月になると一面紫色に染まり、色と香りに心が癒されます。
見本園には、家庭や学校などの参考となる樹木や植物が植栽されて
います。園内には約1000本の桜が荒子川沿いに植えられています。
ほかに、日本庭園、サンクガーデン(低いところにある庭園)、
多目的広場があります。
愛知県武道館
港北駅から北東に800メートルのところにあるスポーツ施設。
延床面積は15,715平米。
大道場は、約1,600平米の競技フロアと、1504席の固定観覧席を
備え、柔道、剣道、なぎなた、バレー、バドミントン、卓球等
のほかコンベンションにも用いられます。
他に、なぎなた道場が2面、柔道場が 3面、剣道場が3面、
近的弓道場、遠的弓道場、宿泊施設、会議室、レストランを
備えています。
名古屋掖済会病院
掖済会(公益社団法人日本海員掖済会)は、
海員の福利厚生を図るために1880年に設立されました。
戦後は海員に限らず、医療と社会福祉活動に取り組む法人です。
名古屋掖済会病院(中川区松年町)は、
港北駅から北東に1㎞のところにある病院です。
1948年に30床の病院として開院し、
現在は620床を擁する地域の中核病院です。
1978年に東海地方で最初の救命救急センターを開設。
2006年には現在の救命救急センターを新築しました。
高精度のリニアック照射装置、PET-CT、320列CT、3T-MRI、
手術支援ロボットのダヴィンチといった、最新の高度医療機器を
保有し、先進医療や悪性腫瘍の治療を中心とした高度医療も
提供しています。
産業衛生保健、健康診断や予防医療などの分野も充実しており、
地域の診療所との連携にも力を入れています。
さて、今回はあおなみ線の港北駅・荒子川公園駅周辺をご紹介しました。
名古屋競馬場跡地が今後、2026年のアジア大会の選手村を経て
再開発され、2028年には「まち開き」が予定されています。
今後、このエリアがどのように変わっていくのか、楽しみです。
【参考・引用】
・中部電力 本事業者グループの提案概要
https://tinyurl.com/39rnd2nj
・愛知県 契約候補事業者変更提案概要
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/life/379352_1645283_misc.pdf
・2022年3月11日 中日新聞 https://www.chunichi.co.jp/article/432926
・荒子川公園 https://www.nagoya-info.jp/spot/detail/106/
・愛知県武道館 http://aichi-budo.sakura.ne.jp/about.html
・名古屋掖済会病院 http://www.nagoya-ekisaikaihosp.jp/
この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2022年9月5日発行分の転載です。