
吉良ワイキキビーチ
愛知県西尾市は、愛知県中南部に位置する、
三河湾に面した人口約17万人の自然豊かな市です。
西尾城の城下町や寺社仏閣などの歴史的な史跡や名所が点在し、
抹茶の産地としても有名です。
市内の鉄道路線としては、
新安城駅から吉良吉田駅まで運行する「名鉄西尾線」と、
吉良吉田駅から蒲郡駅までを三河湾に沿って走る
「名鉄蒲郡線」があります。
西尾駅から名鉄名古屋駅までは約50分、
名鉄金山駅までは約45分と、名古屋市内への通勤も可能です。
安城駅までは約30分、刈谷駅や岡崎駅までは約40分と、
三河地域の各都市への通勤に便利です。
また、知立バイパス(国道23号)の
小島江原IC、西尾東IC、中原IC、安城西尾ICがあり、
名古屋方面や豊橋方面への移動にも便利です。
西尾の抹茶
西尾の抹茶の歴史は、明治5年(1872年)に
西尾市の紅樹院の住職、足立順道が宇治から茶の種と製茶技術を
西尾に持ち帰ったことから始まります。
宇治と西尾の風土が似ていることから、
西尾も茶葉の栽培に適していると考えたためです。
名古屋にお茶文化が根付いていたこともあり、
西尾はお茶の一大産地となりました。
大正時代後期には、抹茶の原料茶葉の「碾茶(てんちゃ)」の
栽培・製造が中心となりました。
碾茶の栽培に特化していることが、他のお茶の生産地にはない、
西尾の特長です。
市内には抹茶や、抹茶を用いたスイーツを楽しめるお店が
多くあります。
吉良荘
1221年に朝廷(後鳥羽上皇)と鎌倉幕府が争った承久の乱は、
幕府側の勝利に終わり、幕府は足利義氏を三河国守護として、
額田荘、碧海荘(あおみのしょう)、吉良荘の地頭に任命しました。
吉良荘を本拠とした足利氏の子孫は吉良氏を名乗るようになります。
室町時代から江戸時代にかけて、吉良荘の弓取川流域には
良好な鷹狩場があり、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三英傑が
それぞれに鷹狩りを楽しんだことが記録に残されています。
久麻久(くまく)神社
八ツ面山(やつおもてやま)の中腹にある神社。
創建は古く祟神天皇の御代、久麻久連が京都丹後半島与謝の国より
この地に来て開拓したことが始まりと伝えられています。
久麻久神社の御祭神は、大雀命(おおさぎきのみこと)、須佐之男命、
熱田大神(あつたのおおかみ)。
徳川家康も西尾往還の折は参拝したと伝えられています。
延長5年の「延喜式」神名帳に名前が記されている、格式の高い神社です。
本殿は細部の意匠も優美であり、建立年代(1527)の明らかな
社殿として貴重で、国の重要文化財に指定されています。
県の重要文化財である牛頭天王神像や陶製狛犬も所蔵しています。
西尾城跡(西尾歴史公園)
江戸時代に西尾藩六万石の城であった西尾城は、
鎌倉時代初期に足利義氏が築城した西条城が始まりと伝えられます。
現在の西尾市歴史公園は、西尾城の一部を復元したものです。
緑に映える本丸丑寅櫓の瓦、数寄屋風の旧近衛邸、
趣向を凝らした京風庭園の尚古荘などがあります。
金蓮寺(国宝・弥陀堂)
県内最古の木造建築物とされる、国宝の金蓮寺弥陀堂。
源頼朝が三河国守護の安達盛長に命じて建立させた
三河七御堂の一つと伝えられています。
県下では最古の木造建築物であり、昭和30年に国宝に指定されました。
内部には阿弥陀三尊像(県指定文化財)が安置されています。
幡豆神社(はずじんじゃ)
三河湾を一望できる岬の先端に鎮座する幡頭神社。
大宝二年(702)の創建と伝えられ、平安時代初期の書物
「延喜式(えんぎしき)」にも記される古い神社です。
祭神は、尾張国造の一人とされる建稲種命(たけいなだねのみこと)で、
日本武尊の東征に従った建稲種命が駿河沖で遭難し、
遺骸が宮崎海岸に漂着し、当地に葬られたと伝えられています。
本殿は国指定重要文化財で、桃山時代の様式を伝える
天正八年(1580)の建築です。
両側の神明社、熊野社も同時期の建築と考えられ、
県指定文化財となっています。
佐久島
1996年からアートによる島おこしに取り組んでいる佐久島。
「おひるねボックス」「イーストハウス」
「かもめの駐車場」「佐久島の秘密基地/アポロ」など、
24のアート作品が島内に点在しています。
昔のお寺や祠、アート作品の祠など八十八か所をめぐる
「アートな弘法巡り」も体験できます。
島には里山の自然と昔ながらの集落が残っています。
信号機もコンビニもなく、静かでゆったりとした時間が流れる島です。
4つの海水浴場
西尾市には、4つの海水浴場があります。
南国リゾートムード満点の「宮崎海水浴場」、
きめ細かい砂のビーチが魅力の「恵比寿海水浴場」、
(2つの海岸を総称して「吉良ワイキキビーチ」という愛称があります。)
穏やかな波が魅力の「寺部海水浴場」、
佐久島南側の大きな入り江に位置する「大浦海水浴場」。
これらは夏には海水浴客で賑わいます。
一色さかな広場
三河湾の一色漁港に隣接する海鮮市場。
一色漁港で水揚げされた魚介類や、矢作川水系の水で育ったうなぎ、
えびせんべい、加工品、果物など、一色町の特産品の店が軒を連ねます。
新鮮な海の幸をお値打ちに買えるため、休日には多くの人で賑わいます。
魚介類はお店でさばいてもらうこともできます。
愛知こどもの国
「あさひが丘」と「ゆうひが丘」の2つの山からなる
自然を生かした大規模な児童総合遊園地。
子どもたちが自然の中で遊びながら、様々な形での対話を通して、
健康で豊かな心を培うことをテーマとしています。
園内にはキャンプ場や巨大遊具、ランドトレイン、こども汽車、
ゴーカートなどがあり、様々な楽しみ方をすることが可能です。
さて、今回は西尾市をとりあげました。
西尾市は自然が豊かで、歴史・文化的資産もあり、
佐久島のアートが注目されるなど、たくさんの魅力がある街です。
【参考・引用】
・西尾城跡 https://tinyurl.com/dstsusun
・西尾歴史公園 https://tinyurl.com/2s3synny
・西尾観光 https://nishiokanko.com/
・一色さかな広場 https://www.sakanahiroba.com/
この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2023年5月22日発行分の転載です。