名古屋市・愛知県・岐阜県・三重県の
不動産投資・不動産の収益化に役立つ情報を提供

名古屋・東海収益不動産ガイド

東海地方の不動産の注目エリア(62)高蔵寺駅

高蔵寺ニュータウン


 高蔵寺駅は、愛知県春日井市高蔵寺町三丁目にある、
 JR東海中央本線と愛知環状鉄道の駅です。

 JR中央本線で大曽根駅までは最短で13分、
 名古屋駅までは約30分でアクセスすることができ、
 名古屋市中心部のベッドタウンとなっています。

 高蔵寺駅からは名鉄バスとサンマルシェ循環バスが運行しています。
 駅の南側や、国道155号、国道19号線の沿線を中心に、
 飲食店、ドラッグストア、ホームセンター、スーパーなどの
 商業施設があり、生活利便性は高いです。
 緑が多く静かな環境で、道路もきれいに整備されている住宅地です。

 

燈明山高蔵寺(とうみょうざんこうぞうじ)

 高蔵寺の地名、駅名の元になった天台宗の寺院。
 高蔵寺駅から東に徒歩5分、高座山(たかくらやま)の南麓に
 あります。平安時代中期の933年に、比叡山の僧である智蔵に
 よって創建されたといわれています。

 最盛期には十二坊がありましたが、
 1558年から1570年の戦火により寺院は焼失し、
 十二坊のうち実相坊だけが残り、今の高蔵寺の元となりました。

 

高蔵寺ニュータウン

 高蔵寺ニュータウンは、JR高蔵寺駅の北に広がる、
 南北約4㎞、東西約4㎞のニュータウンです。
 東京都の多摩ニュータウン、大阪府の千里ニュータウンと合わせて
 日本の三大ニュータウンと言われています。

 開発事業は1966年から1981年にかけて行われ、
 中心部に商業施設エリア、周囲に団地や戸建住宅が広がり、
 学校、子育て施設、大小の公園施設も整備されました。
 1968年から入居が始まり、人口は1995年の52,261人がピークでした。

 しかし、ニュータウンのオープンから50年以上が経過し、
 現在は少子高齢化が深刻です。
 令和5年4月1日一時点の人口は42,153人※、
 高齢化率は36.46%に達しています※(春日井市平均は26.01%)。
 空き家問題も深刻化しており、運転免許返納者の増加により、
 交通弱者や買い物弱者も増えました。

  ※高蔵寺リ・ニュータウン計画2021-2030に元づき、
   高蔵寺町北2丁目、高蔵寺町北4丁目、白山町1丁目の全体が
   含まれています。

 そこで、市、企業、市民団体、大学などが持続可能なコミュニティを
 目指して、次のような取り組みが着手されました

 ・2006年から高蔵寺ニュータウン内を循環するバスの運行開始。
 ・2009年から「高蔵寺きてみん祭」が開始。
 ・2013年から中部大学の学生がUR住宅等に入居し住民との交流を深める。
 ・都市再生機構によるペット共生住宅、DIY住宅などのリノベーション
 ・買い物弱者対策としての移動販売事業の開始
 ・2018年に旧小学校をリノベーションして、図書館、児童館、
  コミュニティカフェ、地域包括支援センター等の
  複合機能を有する多世代交流拠点施設「グルッポふじとう」が開所。

 2021年には「高蔵寺リ・ニュータウン計画2021-2030」が策定され、
 次のようなプロジェクトが進められているところです。

 ・JR高蔵寺駅周辺の再整備(「高蔵寺ゲートウェイ」の整備)
 ・旧西藤山台小学校への生活利便施設の誘致
 ・自動運転移動サービスやデマンド乗り合いタクシーなど
  新たなモビリティサービスの実証実験および社会実装
 ・リノベーションの推進など住宅ストック活用の促進
 ・高森台団地で大手ハウスメーカー9社による
  環境共生型住宅の分譲
 ・高蔵寺ニュータウンのプロモーション

 2017年に設立された「高蔵寺まちづくり株式会社」は、
 空き家をDIYでリノベーションする実験的な取組みを行っており、
 空き家の新たな流通の仕組みづくりを目指しています。
 同社は他にも、リノベーション済みの物件の見学会や、
 「グルッポふじとう」など公共施設の管理、
 賑わい創出のための様々なイベントなども幅広く手掛けています。

 

グリーンピア春日井(春日井市都市緑化植物園)

 高蔵寺駅から北北東に4㎞のところにある
 緑豊かな山々に囲まれた植物園。
 春の桜やバラ、初夏の花菖蒲にアジサイ、秋の紅葉と
 四季折々の景色を楽しむことができます。
 うさぎや羊等がいる動物ふれあい広場や
 アスレチックが楽しめる芝生広場等、子ども向けの施設が充実。
 池ではサイクルボートも楽しむこともできます。

 

あい農パーク春日井

 高蔵寺駅から北に6㎞のところにある農業公園。
 お子さんからシニアの方まで、楽しみながら
 農業や食に触れることができます。
 通常の貸し農園、旬の農作物の収穫ができる収穫体験農園、
 指導者付きで植付から収穫まで野菜を栽培する農業体験農園、
 の3つの農園があります。

 公園内には収穫した野菜などをその場で味わえる
 バーベキュースペースやカフェがあり、
 「農」をテーマとした各種イベントも開催しています。

 

名古屋市東谷山フルーツパーク

 高蔵寺駅から大曽根駅行バスで6分ほどのところにある
 果物をテーマにした農業公園。
 名古屋市守山区の東谷山山麓の豊かな自然環境の中にあります。

 植物観察や散策を楽しんでいただくとともに、
 果樹栽培技術の指導を通じて都市農業の振興を図るなど、
 多目的な農業公園として、1980年4月に開園しました。

 園内には、ナシやリンゴなど17種類の果物の果樹園や、
 約100種類のめずらしい果樹を観察できる「世界の熱帯果樹温室」、
 果物に関するさまざまな知識を紹介する「くだもの館」、
 売店、レストラン、つり池などの施設があります。

 

航空自衛隊高蔵寺分屯基地

 高座山のふもと、高蔵寺ニュータウンに隣接する
 外周約5.8km、敷地面積約170万平米の分屯基地。

 昭和16年に名古屋陸軍兵器補給廠高蔵寺部隊として発足しました。
 昭和20年に連合軍に接収されましたが、昭和22年に返還。
 昭和33年には米空軍が撤退し、高蔵寺分屯基地が開庁しました。

 毎年、5月末に基地開放(高座山ハイキング)や
 8月末に盆踊り大会、民間による基地周回マラソン大会が開かれます。

 さて、今回は高蔵寺駅についてご紹介しました。
 高蔵寺ニュータウンは、少子高齢化や空き家問題などが深刻ですが、
 リノベーションなど中古物件の活用が盛んに行われており、
 空き家の流通の新たな仕組みづくりを目指した実験も行われています。

 今後、高蔵寺ニュータウンから、
 先進的なリノベーションの事例や、空き家の流通の新しい仕組み、
 新しいコミュニティのモデルが生まれることが期待されます。

 

【参考・引用】

 ・高蔵寺ニュータウン https://kozoji-nt.com/what/
 ・高蔵寺リ・ニュータウン計画
  https://www.city.kasugai.lg.jp/shisei/machi/new_town/1008973.html
 ・高蔵寺まちづくり株式会社 http://www.koz-nt.com/
 ・グリーンピア春日井 https://www.spofure-kasugai.or.jp/greenpia/
 ・あい農パーク春日井 http://kasugai-nougyoukouen.jp
 ・名古屋市東谷山フルーツパーク https://www.fruitpark.org/
 ・航空自衛隊高蔵寺分屯基地
  https://www.mod.go.jp/asdf/kozoji/index.html

 

この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2023年7月3日発行分の転載です。