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名古屋・東海収益不動産ガイド

東海地方の不動産の注目エリア(63)碧南市

碧南中央駅前

碧南中央駅前

 碧南市は、県のほぼ中心、名古屋から40km圏内に位置する、
 人口約72,000人、面積はおよそ35万平方kmの市です。
 西は衣浦湾に面しており、東には矢作川が流れています。

 伝統的に醸造業や鋳造業が盛んで、海上交通の要衝として栄えました。
 衣浦湾を埋め立てて造成した工業地帯に工場が進出し、
 工業都市として発展しました。

 農業は県下有数の露地野菜の生産地となっています。
 碧南火力発電所があり、工場が多く立地しているため、
 市の財政力は全国的に上位です。

 東洋経済新報社が全国約800の市を対象に調査した
 「財政健全度ランキング」2022年版で全国9位。
 また、三菱UFJ不動産販売の「住みよさランキング」2022年版では、
 全国で90位、愛知県内で8位にランクインしました。

 今回は碧南市を紹介します。

 

碧南市の交通

 碧南市には名古屋鉄道三河線の
 「北新川駅」「新川町駅」「碧南中央駅」「碧南」の4つの駅が
 存在します。碧南中央駅から刈谷駅までは名鉄三河線で約22分です。

 市内には、国道247号線の碧(みどり)ICと明石ICがあり、
 知多半島方面や、刈谷市・豊田市方面、豊橋市方面への移動に便利です。
 また、碧南市役所を起点にして市内各所を循環する
 「くるくるバス」が走っており、無料で利用することができます。
 車をあまり運転しない人や高齢者にとっても便利です。

 

大浜街道と大浜港

 大浜街道は、鎌倉時代に開かれたとされ、
 碧南市の大浜から、岡崎、豊田を経由して信州に塩や海産物を運ぶ
 重要な街道とされていました。

 大浜港は1300年代から海運の要所として書物に記載されています。
 1582年「本能寺の変」の後、徳川家康が必死の思いで伊賀を越えて
 家臣とともに大浜港に漂着し、岡崎に逃れたという言い伝えもあります。
 今も多くの漁船が、しらす、いかなご、このしろなどの漁を行っています。

 江戸時代には、この辺りの地下水が良質で、
 矢作川上流の豊田市方面から米、大豆、小麦などを
 入手しやすかったことから、この辺り一帯で
 しょう油や味噌、酒、みりんなどの醸造業が発展しました。

 今も市内には、現存する最古のみりん醸造元である九重味淋をはじめ、
 複数の醸造所があり、全国で商品が使われています。

 大浜港はこれらの商品を江戸へ船で運ぶ海運業も栄え、
 大浜は海・川・陸の街道の物流拠点として、
 人や物、富や情報の集まる豊かな土地となりました。

 現在も大浜寺町には立派な構えの寺社が並び、
 黒板塀の土蔵や屋敷、路地などの古い佇まいが残されています。

 

大浜てらまち地区・中区例祭・大浜てらまちウォーキング

 大浜地区は古くから海運で栄え、多くの寺社が建てられました。
 大浜てらまち地区には、南北1.2kmほどのエリアに宗派を異にする
 10のお寺が密集しています。

 毎年10月第3土曜日・日曜日の大浜中区の例祭には、
 「中之切車」という豪華な彫刻で飾られた山車と
 「浦島車」という浦島人形を演じる山車が町内を巡行します。
 山車の上では人形劇が上演されます。神楽の神事なども行われます。

 これに合わせて開催されるイベント「大浜てらまちウォーキング」では、
 てらまちの10のお寺を巡る「十ヶ寺巡りスタンプラリー」や
 御朱印めぐり、人力車体験、コスプレなど、多数の催しが行われます。
 てらまち周辺の道が歩行者天国になり、
 「てらまちマーケット」が開かれて、出店やキッチンカーが出店します。

 

碧南市臨海公園

 1.5haの広大な芝生広場、斜面すべりができる碧の山、
 15mも吹き上がる大噴水があり、
 「じゃぶじゃぶ池」では夏場には水遊びもできます。
 雨の日もスポーツできるドームやドッグヤードなどがあります。
 テニスコートや臨海野球場、臨海体育館、碧南海浜水族館と
 一体的に整備されており、大人から子どもまで楽しめる公園です。

 

碧南海浜水族館

 幅15m、水量200トンの大水槽をはじめ、大小52の水槽に
 矢作川や伊勢湾、三河湾の魚をはじめ、全国各地から集められた
 約260種、4,000尾の魚がいる水族館です。

 2Fは海に関する歴史や自然を学習できる科学館になっており、
 矢作川の水利用や干潟のジオラマなどがあります。

 2005年開催の「愛・地球博」の際に碧南市のフレンドシップ国である
 クロアチアより寄贈されたドラゴンズベビー(ホライモリ)は
 日本ではここでしか見られません。

 

明石公園

 観覧車、列車、エアファイター、サイクルモノレール、ゴーカートなど
 100円で乗れる遊具があり、小さいお子さんに人気の公園。
 土日には、マルシェ、キッチンカー、動物ふれあいイベントなど、
 様々なイベントを開催しています。

  

工業地帯、碧南火力発電所、へきなんたんトピア

 1960年代後半、碧南市は衣浦湾を埋め立てて工業地域を造成しました。
 碧南火力発電所が1991年に稼働を開始したことをきっかけに、
 多くの工場が進出し、今では大小合わせて約380社が立地しています。
 トヨタ自動車や日本金属工業など大企業の工場もあります。

 碧南火力発電所は1991年10月に1号機が運転を開始し、
 2002年に5号機が建設されています。

 3号機は日本で初めて超々臨界圧のボイラーおよび蒸気タービンを採用。
 4、5号機の出力は国内最大規模の100万kWです。

 「へきなんたんトピア」は次の3つの施設からなり、
 エネルギーや環境について考えるきっかけを提供しています。
 ・電力館:電気を作る仕組みなどを学べる施設
 ・ヒーリングガーデン:自然に触れながら環境について学べる施設
 ・エコパーク:散策しながら野鳥などを観察できる施設

 

碧南市農業活性化センター あおいパーク

 碧南市は県下有数の露地野菜の産地です。
 あおいパークは、「農業と食と健康」をテーマにした、
 農業と消費者を結ぶ体験型交流施設です。
 産直市では、にんじん、たまねぎ、いも、トマト、大根、みかん
 などが販売されています。
 体験農園では1年を通して様々な野菜のもぎとり体験ができます。

 

 さて、今回は碧南市を紹介しました。
 碧南市には、農業、漁業、醸造業、鋳造業、
 380社の工場、火力発電所と、多用な産業があります。
 財政が豊かで住みやすい街です。

 

 【参考・引用】

 ・碧南市 https://tinyurl.com/yc7y6frm
 ・三菱UFJ不動産販売「『住みよさランキング』2022年版」
  https://www.sumai1.com/useful/townranking/town_23209
 ・健保連愛知連合会「大浜街道を歩こう」
 ・大浜てらまち https://www.ohama-teramachi.jp/topics/detail/6/
 ・ヤマシン醸造 https://www.yamashin-shoyu.co.jp/post_qa/faq01/
 ・碧南鋳物の祖 国松十兵衛家終焉の検証
  https://core.ac.uk/reader/268280360
 ・碧南市観光協会
  https://www.hekinan-kanko.jp/highlight/detail/47
  https://www.hekinan-kanko.jp/highlight/detail/11
 ・明石公園 http://akashi-park.jp/
 ・碧南火力発電所・JERAたんトピア電力館
  https://tinyurl.com/4h65wu49
 ・西三河ぐるっとナビ あおいパーク
  https://www.nishimikawanavi.jp/spots/detail/545

 

この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2023年8月7日発行分に一部加筆して転載したものです。