
犬山市は、愛知県の最北端に位置し、
北は木曽川を隔てて岐阜県各務原市と坂祝町、
東は岐阜県可児市・多治見市、南は愛知県小牧市・春日井市、
西は愛知県扶桑町・大口町と隣接しています。
犬山市街地は、木曽川が濃尾平野に流れてできた扇状地の要の部分に
位置し、標高30~50mの沖積低地と段丘台地から形成されています。
このあたりは、古代から小集落が発展していたようで、
東之宮古墳や青塚古墳などの古墳が残されています。
戦国時代には織田氏の所領となり、江戸時代には尾張藩付家老である
成瀬氏の城下町として発展しました。
国宝犬山城とともに当時の町割りが現在も残っています。
明治から数次の合併を経て、昭和29年4月に
犬山町、城東村、羽黒村、楽田村、池野村の1町4村が合併して
犬山市となり、現在に至っています。
鉄道は、名鉄犬山駅には名鉄の各務原線、犬山線、小牧線、広見線
が発着します。名鉄犬山駅から名鉄名古屋駅までは25分と
名古屋都心へのアクセスも良好です。
道路は国道41号が市内を東西に横断しており、
名神・東名高速道路小牧ICまでは11kmです。
市の西部は濃尾平野の一部であり、
市の北を流れる木曽川の一帯は名勝に指定されています。
1300年の歴史を誇る伝統的な木曽川鵜飼も行われています。
東部の丘陵地には人工池の入鹿池が所在します。
国宝犬山城
犬山城は、室町時代の天文6年(1537年)に
織田信長の叔父・織田信康が、もともとあった砦を改築して築城しました。
1584年の「小牧・長久手の戦い」では、豊臣秀吉の本陣が犬山城に置かれました。
天守は現存する日本最古のものとされており、国宝に指定されています。
天守から木曽川や濃尾平野を見渡す眺めは絶景です。
周辺には犬山城下町の古い町並みや明治村などの多くの観光施設があります。
博物館明治村
昭和40年に犬山市郊外の入鹿池に面した丘陵地に、
解体される貴重な建築を保存展示する野外博物館として開村しました。
公益財団法人 明治村が運営しています。
明治時代から昭和初期の解体される建造物から価値あるものを選び、
順次、移築・復原を行っていきました。
移築する建物の元の場所はほぼ日本全土にわたり、
シアトル、ハワイ、ブラジルにも及んでいます。
展示物の建物や機械の中には、国の重要文化財11件が含まれています。
移築・復原した建造物は60以上あります。その一部を紹介します。
帝国ホテル中央玄関(東京都千代田区)、内閣文庫(東京都千代田区)、
宇治山田郵便局舎(伊勢市、重要文化財)、呉服座(池田市、重要文化財)、
品川燈台(東京都港区、重要文化財)、西郷從道邸(東京都目黒区、重要文化財)
西園寺公望別邸「坐漁荘」(静岡市、重要文化財)、
森鷗外・夏目漱石住宅(東京都文京区)、金沢監獄中央看守所・監房(金沢市)。
この中で最も人気があるのは、帝国ホテル中央玄関です。
フランク・ロイド・ライトが設計し、大正12年に竣工されました。
内外とも大谷石とレンガが多用され、大谷石や陶器ブロックに施された
多彩な幾何学模様が、独特な世界観を醸し出しています。
また、壁画や彫刻、家具、敷物、照明器具や食器に至るまで、
ライト自身がデザインを手がけました。
村内では、ガイドによる案内、スタンプラリー、
明治時代の衣装を着て写真を撮影したり散策できる体験、
当時の電車やバスの乗車体験、射的、弓矢、錦絵多色刷り体験、
などの体験も楽しむことができます。
村内にはレストランや喫茶店も複数あります。
明治村は様々なテレビや映画などのロケ地としても使われています。
野外民族博物館リトルワールド
世界各地の約6,000点の民族資料が展示されている本館展示室と、
23カ国32の家屋が立ち並ぶ野外展示場で構成された野外博物館です。
株式会社名鉄インプレスが運営しています。
世界のグルメの食べ歩きや民族衣装、エンターテイメントなど、
世界の文化を体験することができます。
日本モンキーパーク
主に小さい子ども向けの数々のアトラクションやイベント、
夏にはプールが楽しめる遊園地です。名鉄インプレスが運営しています。
季節ごとにイベントも開催しており、
土日祝日にはオープンステージでキャラクターショーも開催しています。
日本モンキーセンター
公益財団法人日本モンキーセンターが運営する、
日本モンキーパークに隣接するサル専門の動物園です。
霊長類の飼育展示種数は、50種以上約700頭と世界最多です。
サルの動きを楽しむことができる展示がなされています。
三光稲荷神社
犬山城の山の麓に位置する歴史ある神社です。
毎年7月22日の大祭日には、木曽川にたくさんの提灯を灯した巻き藁舟が
お囃子を奏でながら浮かべられます。
三光稲荷神社内にある姫亀神社は、男女良縁、家内円満のご利益があるとされ、
連なる鳥居の美しさやハートの絵馬のかわいらしさで、
女性やカップルに人気の神社となっています。
犬山朝市
犬山朝市は、平成4年に犬山城の東側にある木曽川遊歩道で始まりました。
毎週日曜限定で、地元野菜に加え、手づくりこんにゃくやソーセージ、
パンやスープなどバラエティ豊かな約40店舗が軒を連ねます。
お楽しみ袋やふるまいイベントも行われており、
地元の人々や観光客で賑わいます。
ホテルインディゴ犬山有楽苑
名鉄犬山ホテルが2019年8月に老朽化のため閉館し、解体されました。
その跡地に、2022年3月にホテルインディゴ犬山有楽苑が
国内3つ目のホテルインディゴブランドのホテルとして誕生しました。
ホテルは国宝の茶室 如庵を有する日本庭園・有楽苑に隣接しています。
ホテルレストラン「車山照」では、
近隣の旬の食材や歴史、文化にちなんだ食を楽しむことができます。
さて、今回は犬山市をご紹介しました。
犬山市は名古屋市中心部へのアクセスも良好でありながら、
歴史があり、愛知県を代表する様々な観光施設が集まっている街です。
【参考】
・犬山市 https://www.city.inuyama.aichi.jp/shisei/shokai/1001197.html
・国宝犬山城 https://inuyama-castle.jp
・博物館明治村 https://www.meijimura.com/about/
・Aichi Now https://www.aichi-now.jp/spots/detail/22/
・三光稲荷神社 https://www.aichi-now.jp/spots/detail/1158/
・犬山観光情報 https://inuyama.gr.jp/little-world.html
・犬山朝市 https://inuyama.gr.jp/inuyamaasaichi.html
・日本モンキーパーク https://www.japan-monkeypark.jp
・日本モンキーセンター https://www.j-monkey.jp
・ホテルインディゴ犬山有楽苑 https://inuyama.hotelindigo.com
この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の2024年1月9日発行分の転載です。