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名古屋・東海収益不動産ガイド

東海地方の不動産の注目エリア(67)津市

(高田本山 専修寺)

 三重県の中心部に位置する津市は、三重県の県庁所在地で、
 県庁をはじめとする行政機関・公共施設や大学などが集まっています。
 東の海岸沿いは港町として栄えた市街地、西には山地が広がります。

 今回は津市についてご紹介します。

 

津の交通

 津駅を中心に、JR、近鉄、伊勢鉄道の3線が通ります。
 伊勢鉄道は、JR関西線の河原田駅と、JR紀勢線の津駅を
 亀山駅を経ずに短絡する約22㎞の鉄道です。

 JR・近鉄の津駅からJR・近鉄の名古屋駅へは、
 JR快速で約50分ほど、近鉄名古屋線急行で約1時間ほどです。
 伊勢神宮に最寄りの伊勢市駅や宇治山田駅へのアクセスも良好です。

 道路網は、伊勢湾岸に沿って南北へ国道23号線、
 中央部には伊勢自動車道が通っており、
 名古屋方面、伊勢・松阪方面への移動も容易です。
 津駅周辺には大型バスターミナルが隣接しており、
 バスを活用した移動も便利です。

 津港から中部国際空港までを海上で結ぶ高速船
 「津エアポートライン」に乗ると、中部国際空港まで約45分です。

 

津市の歴史

 津市は、古くは安濃津(あのつ)と呼ばれ、
 鹿児島県南さつま市の坊津(ぼうのつ)、
 福岡県福岡市の花旭塔津(はかたつ)と並んで「日本三津」の
 一つとされます。
 かつては中国との重要な貿易港の一つだったと考えられています。

 室町時代から戦国時代にかけては、
 伊勢国司の北畠氏が都市を形成して栄えました。

 江戸時代に入ると、築城の名手である藤堂高虎が伊勢国・伊賀国の
 領主になり、津城を中心とした城下町として発展しました。
 また、伊勢参宮の街道を城下に引き入れるなど、
 街道を交通の要衝として整備したことで、宿場町としても賑わいました。

 明治22年4月に市制を施行。明治・大正・昭和にかけては
 市内に多くの紡績工場が進出しました。
 戦後の高度経済成長期には、電気産業、造船産業などを中心に
 企業の進出が進みました。
 平成18年1月に2市6町2村の市町村合併を行い、現在の津市に至ります。

 

津観音

 近鉄名古屋線の津新町駅から北東に約1400メートルのところにあります。
 恵日山 観音寺、通称「津観音」の歴史は、
 和銅2年(709)に本尊である聖観音菩薩像が伊勢国阿漕ヶ浦の
 漁師の網に救い上げられたことが始まりとされています。
 県内唯一の木造五重塔があります。

 

専修寺

 JR紀勢本線の一身田駅から東に200メートルのところにあります。
 専修寺は、全国に600余ヶ寺ある真宗高田派の本山寺院で、
 開山した親鸞の教えを受け継ぐ寺院です。
 親しみを込め「高田本山」と呼ばれています。

 三重県初の国宝の建造物である如来堂・御影堂、
 国宝の親鸞筆による「西方指南抄」「三帖和讃」、
 その他国指定の重要文化財を数多く所有しています。
 境内には浄土に咲くとされる蓮の花が35種類100鉢以上あります。

 

津城

 近鉄名古屋線の津新町駅から東に約400メートルのところにあります。
 織田信包が築城し、築城の名手・藤堂高虎に大改修された城。
 天守台や櫓、本丸と西の丸の連なる石垣や、高虎の騎馬像が見所です。
 天守閣は火災により焼失しており、再建されていません。
 お城公園は日本庭園と西洋庭園が整備されています。

 

津偕楽公園

 JR・近鉄の津駅から南西に約300メートルのところにあります。
 昔は「御山荘」または「御山荘山」といい、
 津藩の第11代藩主の藤堂高猷(たかゆき)が、
 安政年間(1854~60)に別荘を設けたのが始まりです。
 偕楽園の名は、高猷の俳号からきています。
 自然の丘陵や谷の趣が充分に生かされ、春には桜や紫つつじが咲き、
 秋には紅葉等が公園に美しい彩りを添えます。

 

御殿場海岸

 県立自然公園に指定された、白砂青松で有名な約17kmの海岸・海水浴場。
 遠浅で波が静かな海は海水浴に最適。
 潮干狩りのスポットにもなっており、地引網体験なども行うことが
 できます。休憩所も複数あり、家族連れで一日中楽しめる海水浴場です。

 

アスト津

 市街地再開発事業によりJR・近鉄の津駅前に2001年に開業した、
 地上94mの津市のランドマークとなる複合ビルです。
 県・市の公共施設、ホテル、オフィス、商業施設、飲食施設、
 駐車場・駐輪場を備えています。

 

ルーブル彫刻美術館

 近鉄榊原温泉口駅から北に200メートルのところにある、
 パリのルーブル美術館の彫刻作品約1300点が鑑賞できる美術館です。

 1987年12月に真言宗の大僧正でもあった竹川勇次郎氏が開館しました。
 竹川氏は、昭和40年代にパリのルーブル美術館を訪れ、
 ミロのビーナスに感動し、日本でこれらの作品を公開したいと考えました。
 ルーブル美術館との粘り強い交渉の末に、館内の約1300点の作品を、
 ルーブル美術館の美術部の技術員に直接型取りして、
 復刻版を作成してもらい、世界で初めて国外に持ち出して、
 この美術館に展示することができました。

 

井村屋グループ株式会社

 津市に本社がある上場企業は4社ありますが、その1つの
 井村屋グループは、東証プライム市場と名証プレミア市場に
 上場しています。
 あずきバーなどのアイス、ゆであずきなどの餡、肉まん・あんまんなど、
 餡を中心とした、長年愛される商品を提供しています。

 創業は1947年、資本金3億1,000万円、
 従業員数は602名(2023年3月31日現在)です。
 津市では本社工場と、あのつFACTORYの2つの工場を稼働させています。

 

三重大学

 国立大学法人三重大学のキャンパスは、
 近鉄江戸橋駅から東に約1㎞の伊勢湾に面するところに、
 約52万平米の「上浜キャンパス」があり、ここに全学部があります。

 学部は人文学部、教育学部、医学部、工学部、生物資源学部からなります。
 生物資源学部は全国的にも珍しい学部です。
 三重高等農林学校が母体となった農学部と、
 三重県立大学水産学部を継承する水産学部が、
 1987年に統合され、生物資源学部となりました。

 同キャンパス内にある三重大学医学部付属病院は685床の大規模病院で、
 三重県唯一の特定機能病院として、県全域の先進医療や高度医療を担当し、
 県全域の三次救急を受け入れています。
 医学の研究や、医学生や初期研修医の教育にも力を入れています。

 

 さて、今回は三重県の県庁所在地の津市をご紹介しました。
 津市は鉄道、自動車、船の交通の利便性が高く、
 県庁など行政機関、上場企業をはじめとする企業、国立大学もあるため、
 三重県の中では底堅い不動産需要がある都市です。

 

【参考・引用】

 津観音 https://tsukannon.com
 真宗高田派専修寺 http://www.senjuji.or.jp
 アスト津 https://www.ust-tsu.jp
 津市観光協会公式サイト 津城 https://www.tsukanko.jp/spot/25/
 同 津偕楽公園 https://www.tsukanko.jp/spot/31/
 ルーブル彫刻美術館 https://www.louvre-m.com/
 井村屋 https://www.imuraya.co.jp/outline/gaiyo/
 三重大学 https://www.mie-u.ac.jp/

 

この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2024年3月4日発行分の転載です。