
半田市は、愛知県の知多半島の中央部東側に位置する、
人口約116,000人の市です。
古くから酒・酢などの醸造業や海運業などで栄え、
知多地域の政治・経済・文化の中心都市として発展してきました。
現在も、トヨタ自動車、豊田自動織機、アイシン、デンソー、
SUBSARU、JFEグループ、セイコーエプソン、LIXIL、ファイザーなど
名だたる企業が工場を構えています。
電車は、JR武豊線と名鉄河和線が走っており、
名古屋方面への通勤にも便利です。
名鉄の知多半田駅と青山駅は快速の停車駅です。
名鉄知多半田駅から名鉄名古屋駅までは名鉄特急で約33分です。
道路は、中部国際空港まで続く知多半島道路や国道247号線や、
西三河と直結する衣浦大橋があり、周辺地域へのアクセスが良好です。
スーパーなどの商業施設も充実している暮らしやすい街です。
亀崎潮干祭
知多半島の北東部、衣浦港に面した半田市亀崎地区で、
毎年5月3日、4日に行われるお祭りです。
300年以上も続くといわれる神前神社の祭礼で、
祭神である神武天皇が海よりこの地に上陸したという伝説にちなみ、
5輌の山車を潮干の浜へ曳き下ろしたことから、
この名がついたといわれています。
豪華な刺繍幕や精緻な彫刻で装飾された
見事な山車とその山車を豪快に曳き廻す男衆の熱気と興奮、
鳴り響くお囃子の調べと威勢のよい掛け声など、
心が躍る祭りの世界観を体感することができます。
望洲楼
創業160年の伝統がある料亭です。かつて福澤諭吉、田山花袋、
柳田国男、西郷従道も訪れたとされています。
衣浦湾を望むお座敷で、季節のしつらえと旬の食を味わうことができます。
当主による亀崎の地の貴重な逸話や、女将の和食マナー講座も人気です。
新美南吉記念館
「ごんぎつね」「手袋を買いに」「おぢいさんのランプ」など、
数々の名作の作者として知られる童話作家・新美南吉の記念文学館です。
館内には常設展示室、図書閲覧室等が設けられ、
自筆原稿をはじめ、日記や手紙などの資料、
南吉作品のジオラマ展示などを見ることができます。
記念館に隣接した「童話の森」には遊歩道が整備され、
南吉文学に描かれた里山の自然の中をのんびりと散策できます。
國盛酒の文化館
1972年まで約200年にわたって実際に酒づくりが行われていた
酒蔵をそのまま活用したお酒の博物館です。
酒蔵は重厚な黒塗りの壁と白い漆喰窓があり趣き深く、
建物自体が東海地方の酒造史の語り部ともいえます。
館内では、江戸時代から受け継がれる酒づくりの工程が
和紙人形で再現されており、伝統ある道具類も展示されています。
日本酒や梅酒類の試飲も楽しめます。
株式会社Mizkan Holdings
ミツカングループは、江戸時代の1804年(文化元年)、
造り酒屋を営んでいた初代・中野(中埜)又左衛門が、
江戸で寿司の人気を知り、酒粕からの粕酢造りを開始。
この安価な粕酢により、寿司が庶民にも普及しました。
その後、牛乳、ビール、銀行業への多角化を図ります。
第二次大戦後にはポン酢、ふりかけ、麺つゆなどがヒットしました。
ミツカングループは株式非上場企業であり、
中埜家による同族経営が維持されています。
ミツカンミュージアム
200年以上にわたるミツカンの酢づくりの歴史や醸造の技術、
ものづくりへのこだわり、すし・鍋といった食文化について、
楽しみながら学べる、体験型博物館です。
招鶴亭文庫
一般社団法人招鶴亭文庫は、中埜家文書の収集や調査研究、
出版業務を行う財団法人です。
ミツカングループの創業者である中埜家の食酢醸造業や、
事業に関する約17万点余りの文書を調査・研究しています。
半田赤レンガ建物
半田赤レンガ建物は1898 (明治31)年に
カブトビールの製造工場として誕$2F63しました。
明治時代に建てられたレンガ建造物としては
日本でトップクラスの規模を誇りました。
ビール工場の遺構は現存数が極めて少なく、貴重な建造物です。
2015年に耐震補強などの改修工事を終えて、リニューアルオープン。
建物内の「カフェ&ビアホール Re-BRICK」では
地元の食材をつかった料理とともに、カブトビールが味わえます。
毎月第4日曜日には、地域にゆかりのある出店者が集まる
「赤レンガマルシェ」などのイベントも開催されています。
JR武豊線 半田駅周辺の再開発
愛知県は2016年度から2027年度にかけてJR武豊線 半田駅付近の
連続立体交差事業に着手しています。
市の中心市街地を縦断するJR武豊線を高架化して踏切を無くし、
12か所の立体交差を整備して東西交通を円滑にします。
また、これに合わせて半田市は2017年から2035年にかけて、
JR武豊線の半田駅と名鉄河和線の知多半田駅の間の区画で
「JR半田駅前土地区画整理事業」を進めています。
道路・駅前広場・公園などを整備し、宅地の再配置をします。
これにより中心市街地の利便性が高まり、土地利用が効率化され、
地震や火災が発生した際の被害も軽減できると期待されます。
さて、今回は半田市をご紹介しました。
半田市には多くの工場があり、商業施設も充実しており、
伝統的な産業もある、暮らしやすい街です。
半田駅周辺の再開発により、その魅力が高まることでしょう。
【参考】
・亀崎潮干祭 https://shiohi-matsuri.jp
・望洲楼 http://www.boshuro.com/akinai.htm
・招鶴亭文庫 https://shoukakutei.or.jp
・新美南吉記念館 https://www.nankichi.gr.jp
・國盛酒の文化館 https://www.nakanoshuzou.jp/museum/
・ミツカンミュージアム https://www.mizkan.co.jp/mim/
・半田赤レンガ建物 https://handa-akarenga-tatemono.jp
・中日新聞 2022年4月12日 駅舎や蔵の街並み、SLなど産業遺産設置 JR半田駅前整備計画
https://www.chunichi.co.jp/article/451495
・半田市の鉄道高架とまちづくり
https://www.city.handa.lg.jp/machi/shigaichi/1005475/1003392.html ◇
この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2024年7月16日発行分の転載です。