
愛知県の南西部に位置し、三重県に隣接している弥富市は、
人口およそ43,000人の市です。
沿岸部は工業地帯、内陸は田園地帯が広がっています。
鉄道は、市の北部にJR関西本線・近鉄名古屋線・名鉄津島線の
3路線が通っており、名古屋市のベッドタウンとなっています。
近鉄弥富駅から近鉄名古屋駅までは乗り換えなしで約15分です。
道路は、市の南部に「伊勢湾岸自動車道」が走っており、
豊田市方面と三重県方面へのアクセスがスムーズです。
また、国道1号線と国道23号線が東西に走っているため、
周辺地域へのアクセスも良好です。
弥富市の金魚
弥富市は金魚の産地であり、
「弥富金魚」のブランドで世界的に評価されています。
弥富金魚の始まりは約150年前、郡山の金魚商人が熱田宿をめざす途中、
前ヶ須(弥富市)の宿場町で金魚を休ませる池を作って放したところ、
寺子屋の権十郎がこれを欲しがり、購入して飼育を始めたそうです。
これをきっかけとして、金魚の飼育が盛んになったとされています。
明治時代になり、佐藤宗三郎が金魚の採卵・孵化に成功して、
本格的な金魚の養殖が始まりました。
木曽川の水量と土質が金魚に適していたようです。
弥富市は金魚の流通拠点としても日本有数の市場であり、
約26種類の金魚がそろいます。
YaToMi AQUA(弥富金魚水族館)
金魚を活かした観光促進のため、「弥富まちなか交流館」の
1階ロビーに設置された水族館です。
多数の水槽を設置し、リュウキン、デメキン等の金魚や、
弥富市で産み出されたサクラニシキ等が展示されています。
金魚すくいコーナーも人気で、土日祝日には多くの方々が来館します。
文鳥
弥富市は文鳥の生産でも有名です。
文鳥は東南アジア原産で、江戸時代に日本に来たと言われています。
弥富の文鳥飼育は、江戸時代の終わりに弥富の又八地区に嫁入りした
八重という女性が、それまで奉公していた名古屋の武家から
桜文鳥を譲りうけ、飼育したことからはじまったと言われています。
それ以来、弥富では農家の副業として文鳥飼育が続けられてきました。
明治時代には全身が真っ白な白文鳥(はくぶんちょう)が生まれ、
全国に広まりました。
弥富の文鳥生産は昭和50年代に最盛期を迎えました。
当時は200戸以上で文鳥が生産され、全国シェアの8割を占めましたが、
その後は、外国産の安い文鳥の流入などもあり、
飼育軒数は減少を続けています。
愛知県弥富野鳥園
木曽川、長良川、揖斐川の河口から庄内川河口にかけての一帯は、
水鳥を中心とした渡り鳥の中継地、渡来地であり、
全国でも有数な野鳥の宝庫として知られています。
弥富野鳥園は、このような自然環境をいかし、
野鳥の保護、調査、観察等を通じて、野鳥保護の普及啓発を図るため、
鍋田干拓の一角に造成され、1975年に開園しました。
保護地内には、樹林地、芝地、池(2つ)、草原、ヨシ原、水路を設け、
様々な野鳥が生息できる環境が整備されています。
本館の2階にはジオラマがあり、野鳥の剥製を使って説明されています。
三ツ又池公園
宝川の遊水池である三ツ又池の維持管理と、
人々に水辺空間に親しんでもらうことを目的に整備された施設です。
三ツ又池の大きさは約15haと広大で、地域のシンボルとなっています。
公園は地域のイベントや文化活動などとしても利用されています。
毎年4月中旬から下旬にかけて咲く芝桜が見どころです。
また、水郷地帯の生態系を保全しており、
カモやサギ、スズメ、モズなどの野鳥、フナ、コイなどの魚が集う、
豊かな自然も見どころの一つです。
富浜緑地
本格的な広さを備えた運動広場や軟式野球ができるグラウンドがあり、
テニスコートは8面が揃えられています。
全長18㎞のサイクリングコースでは、
花木に囲まれた富浜緑地内や、伊勢湾が一望できるゴルフ場外周など、
爽快なサイクリングが楽しめます。
海南こどもの国
1985年に開業した、約11万平米の児童総合遊園。
ゴムの弾力を利用したアスレチック遊具がある冒険広場、
幼児向けのかわいい遊具がある幼児コーナー、
6,000平米の大芝生運動場がある多目的広場、
幼児用プール・児童用プール、一周120mのコースのローラースケート場、
アスレチック遊具がある砦広場、水遊びのできるジャブジャブ池、
ペダルで漕ぐ1周500mのゴーカートといった施設があります。
弥富駅周辺の整備事業
弥富駅周辺は鉄道によって南北に地区が分断されており、
地区間を移動するには、駅の東西にある小さな踏切を通るしかなく、
朝夕の通勤・通学ラッシュ時の歩行者・自転車・自動車の混雑が
長年の問題となっていました。
弥富市はこの問題を解消するため、JR名鉄弥富駅の北口駅前広場と
自転車駐輪場を整備し、駅舎を橋上にすることで
南北の自由通路を整備しようとしています。
また、弥富駅周辺の道路には歩道が整備されている道路がなく、
歩行者や自転車の安全が十分に確保されていません。
そこで、生活関連施設までの道路や駅前広場など、
駅周辺エリアの一体的なバリアフリー化も推進しようとしています。
この整備事業は、2024年度に工事着手、
2029年度に、自由通路および橋上駅舎の供用開始、
2030年度に、南北交通広場の供用開始が予定されています。
さて、今回は弥富市をご紹介しました。
金魚や文鳥で有名な弥富市は、
名古屋市中心部へのアクセスがよいベッドタウンであり、
自然環境が豊かな暮らしやすい街です。
【参考・引用】
・愛知県 https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kosodate/0000008795.html
・弥富市 https://tinyurl.com/29rftpsz
・弥富市 https://tinyurl.com/22px7yvs
・弥富市 https://tinyurl.com/5n99jaaz
・名古屋港緑地保全協会 http://www.npgpa.jp/tomihamaryokuchi-8/
・愛知県弥富野鳥園 https://www.aichi-park.or.jp/yachou/info.html
・海南こどもの国 https://www.aichi-park.or.jp/k-kodomo/facilities.html
・弥富駅周辺地区の整備について
https://www.city.yatomi.lg.jp/shisei/1000749/1000750/1003914.html
この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2024年8月5日発行分を一部加筆修正して転載しています。