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名古屋・東海収益不動産ガイド

東海地方の不動産の注目エリア(84)有松

有松の町並み

名城企画株式会社です。
名古屋市緑区にある有松は、伝統産業の「有松・鳴海絞り」が有名です。

旧東海道の伝統的な町並みが残る「有松の町並み」は、
重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、
文化庁より「日本遺産」に認定されています。

名鉄名古屋本線「有松駅」から名古屋駅までは準急では約30分、
朝の出勤時に停車する急行では20分前後で名古屋駅に着くため、
名古屋都心への通勤利便性が高いです。
有松駅の周辺には住宅地が広がっています。

有松駅はイオンタウン有松と直結しています。
有松駅から約2㎞のところにイオンモール大高があり、買い物も便利です。
約1㎞のところに大高緑地公園があり、子どもたちの遊び場になります。

「有松IC」は、名古屋第二環状自動車道の有松ICと、
国道23号線の有松ICの2カ所があり、周辺にもアクセスしやすいです。

今回は有松をご紹介します。

 

有松絞りの歴史

有松宿は、東海道の池鯉鮒宿と鳴海宿の間に、
慶長13年(1608年)に尾張藩の奨励により茶屋集落として設けられました。
有松宿は正式な宿場町ではないため、宿泊は許されず、
旅人相手の商売には限界がありました。

有松絞りは、有松に移り住んでいた住人の一人である竹田庄九朗が、
名古屋城築城のために九州から来ていた人々が着ていた
絞り染めの衣装を見て、当時生産が始められていた三河木綿に
絞り染めを施した手ぬぐいを、旅人に土産として販売したことが
始まりとされています。

また、1655年に豊後(現在の大分県)より移住した医師三浦玄忠の妻に
よって豊後絞りの技法が伝えられ、有松絞は大きな進歩を遂げました。

藩から御用商人に引き立てられるなどして、有松絞りは発展しました。
江戸時代以降では日本国内における絞り製品の大半を生産しており、
1975年9月には国の伝統工芸品に指定されました。

 

日本遺産「有松」の町並み

有松の町並みは東海道約800mに沿って建ち並んでおり、
江戸後期から昭和前期までの様々な時代の建物がみられます。
有松の絞商を営む商家は、他の地区の商家と比べて間口が広く、
太陽の日差しから藍染めの商品を守るために深い軒があります。

東海道に面する主屋は木造 2 階建、切妻屋根、桟(さん)瓦葺、平入を
基本としており、統一感のある町並みとなっています。
桟瓦葺き、卯達、連子格子、なまこ壁、虫籠窓、塗籠造、といった特徴は
火災時の被害を防ぐための工夫です。

2012年には有松地区の旧東海道の無電柱化が行われました。
2016年7月に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。

2019年5月には文化庁により、有松の文化・伝統を語るストーリー
「江戸時代の情緒に触れる絞りの産地-藍染が風にゆれる町 有松-」が
名古屋市として初めて「日本遺産」に認定されました。
愛知県内で地域型として認定されたのも初めてです。

 

有松・鳴海絞会館

有松観光の中心的な施設であり、有松・鳴海絞りの歴史や資料の展示、
伝統工芸士による絞り実演や、絞り体験教室を楽しむことができます。
展示即売場では、衣類や小物、置物などさまざまな形に作られた
有松絞りの作品を購入することができます。

 

絞商の商家

・小塚屋住宅

江戸末期に建造された、名古屋市指定文化財・都市景観重要建築物。
屋号は「山形屋」、蔵の屋根には「山」の字が見られます。

・棚橋家住宅

代表的な絞商「大井桁屋」の建物で、国登録文化財に指定されています。
昭和8年(1933年)から50年間は棚橋医院として使われ、
その後住宅として使用されています。
屋根の上には、邪気から家を守る「鍾馗(しょうき)」の像があります。

・服部家住宅(井桁屋)

大井桁屋から分家した絞商家「井桁屋」の屋敷で、県指定文化財です。
江戸末期の主屋、井戸屋形、客室、門、門長屋、蔵の6棟からなる、
間口45メートルの大屋敷で、主屋の西にある樹齢およそ370年と伝わる
「クロガネモチ」の木は、名古屋市都市景観保存樹に指定されています。

・中濱家住宅(中濱商店)

主屋の西側に土蔵、東側に塀・物置がある、
有松の大規模な絞り問屋に見られる典型的な重厚な屋敷構えです。

・竹田家住宅(竹田嘉兵衛商店)

主屋、茶室、蔵3棟、26畳の書院造りの座敷からなります。
ひさしには明治期のガス燈が乗り、商家の繁栄ぶりを今に残しています。
徳川14代将軍家茂公が寄られたと伝えられる茶室「栽松庵」が現存。
座敷の浪打ガラスを通して、庭園の四季折々の植栽が楽しめます。

・岡家住宅

主屋は江戸末期頃建造とされ、間口は有松の伝統的建造物の中で最大級。
軒裏の垂木部分が漆喰で波型に塗られています。
内部公開しており、見学することができます。

 

有松天満社

有松の氏神として菅原道真公を祀る神社。
天満社秋大祭では有松町並み保存地区で山車が曳き回されます。
文政7 年(1824年)の建立とされる社殿は、明治期に伊藤平左衛門により
千鳥破風や軒唐破風(のきからはふ)などの装飾が軒先に加えられました

 

有松山車会館

有松にある山車三輌(布袋車・唐子車(からこしゃ)・神功皇后車)が
毎年交代で展示されます。
山車に乗るからくり人形の豊かな表情を間近で見ることができます。
春季大祭(3月第3日曜日)、秋季大祭(10月第1日曜)の
歴史資料等も展示されています。

 

祇園寺

宝暦5年(1755年)に鳴海の円道寺より移設し建立された曹洞宗のお寺で、
江戸時代には寺子屋としても使われていました。
有松は1784年に大火災に遭っていて、町のほぼすべてが焼失しましたが、
焼け残った数少ない建物のひとつが祇園寺でした。
祇園寺には、有松・鳴海絞りの発展に寄与した藩主・徳川義直公や、
中興の祖・鈴木金蔵らが祀られ、価値の高い寺宝が数多く残っています。

 

有松絞りまつり

毎年6月に開催される、絞り染めの魅力を伝える合同展示販売会です。
絞りの浴衣をはじめとしたさまざまな絞り製品の販売や、
アートクラフトフェアなども開催され、ものづくり文化を体験できます。
屋台やキッチンカーも出店します。毎年多くの方が訪れます。

さて、今回は有松をご紹介しました。
有松は、交通や買い物の利便性も高く、
風情ある歴史的な街並みが残されている特長のある街です。

 

【参考・引用】

・有松絞り https://arimatsu-camcam.com/kankou_shibori.html
・日本遺産有松 https://shibori-kaikan.com/arimatsu-isan/
・有松の町並み https://www.nagoya-info.jp/spot/detail/55/
・有松・鳴海絞会館 https://shibori-kaikan.com
・小塚家住宅 https://www.nagoya-info.jp/spot/detail/57/
・棚橋家住宅 https://www.nagoya-info.jp/spot/detail/147/
・服部家住宅 https://www.nagoya-info.jp/spot/detail/58/
・中濱家住宅 https://x.gd/laPYu
・竹田家住宅 https://www.nagoya-info.jp/spot/detail/56/
・岡谷住宅 https://x.gd/dMcnS
・有松天満社 https://www.arimatsu-tenmansha.com
・有松山車会館 https://www.nagoya-info.jp/spot/detail/78/
・有松天満社 https://x.gd/EyZfn
・祇園寺 https://www.arimatsunomachi.com/kentiku1.html
・有松絞りまつり https://shibori-fes.nagoya/