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名古屋・東海収益不動産ガイド

注目の不動産エリア(3)名駅

 鉄道5社が乗り入れる東海地方最大のターミナル駅を擁する
 名駅エリア。今年(2017年)4月にはJRゲートタワーが
 全面開業し、今年10月には笹島エリアの「グローバルゲート」
 が全面開業するなど、国内で最も変貌を遂げているエリアの
 1つとも言えます。

 10年後のリニア中央新幹線の開業を見据えて、
 今回のメルマガでは名駅エリアの歴史と特徴を紹介します。

 

昔は湿地帯だった名駅エリア

 現在の名駅エリアは、明治時代までは葦が茂る湿地帯が
 広がっていました。
 1886年(明治19年)に官製鉄道(国鉄)が
 清洲(今の枇杷島駅)-熱田間で開通するにあたり、
 鉄道が住宅地を避けて、湿地帯に敷設されることとなり、
 笹島交差点付近に「那古野駅」が置かれたのが、
 今の名駅の始まりです。

 1887年、「名古屋駅」に改称。
 1895年、関西鉄道線(後に国有化、今の関西本線)の
 名古屋駅が開業。
 1898年、名古屋電気鉄道(後の名古屋市電)が乗り入れ
 (1972年に廃止)。
 1938年、関西急行電鉄(現・近畿日本鉄道)が開業し
 関急名古屋駅(現・近鉄名古屋駅)開業。
 1941年、名古屋鉄道が開業し、新名古屋駅
 (現・名鉄名古屋駅)開業。
 1957年、名古屋市営地下鉄1号線(後の東山線)名古屋駅開業。
 2004年、JR東海の西名古屋港支線を旅客化し、
 名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線(あおなみ線)として開業。

 このようにして、名古屋駅は東海地方の玄関口と
 なっていきました。

 今後、名駅エリアは、リニア中央新幹線の名古屋駅の開業と、
 名鉄などのビルの再開発によって、さらなる進化が期待されます。

 

名古屋駅の東西を横断するリニア中央新幹線の駅

 2027年開業のリニア中央新幹線の名古屋駅は、
 東海道新幹線や在来線と交差する形で東西を横断する計画です。
 従来、線路が縦断して東西が分断されていた名駅エリアが、
 リニア中央新幹線の駅によって東西につながります。

 名古屋市は、リニア名古屋駅の地上部分に
 東西2カ所の1.2ヘクタールに広場を作る計画をまとめています。
 広場には樹木やベンチを置いて憩いの空間となり、
 災害時には一時的な避難所にもなります。
 東側の広場は遊歩道を整備して、
 西側の広場はイベントなどができるようにする考えです。

 

南北400メートルにわたる横長のビル

 2027年に向けて名鉄、近鉄グループホールディングス、
 三井不動産、日本生命の4社が高層する再開発計画は、
 “横長のビル”ということで話題を呼んでいます。
 名駅通り沿いに南北に広がる建物の全長はなんと400メートル。
 30階建て、高さは160~180メートル。巨大な壁といった印象です。

 現在の名鉄ビル、名古屋近鉄ビル、名鉄バスターミナルビル、
 大手町建物名古屋駅前ビル、名鉄レジャックビル、
 日本生命笹島ビルの6棟のビルを一体開発する計画で、
 2022年度に工事着手予定です。

 この再開発により、名鉄の名古屋駅、近鉄の名古屋駅、
 バスターミナルが改良されて利便性が高まること、
 さらに名古屋駅から笹島エリアへのアクセスがしやすく
 なることが期待されています。

 

広域の名駅エリアへの発展に期待

 名駅エリアでは近年、大型プロジェクトの再開発が
 続いてきたため、地価公示の最高地点の価格も2010年以降、
 上昇が続いています。
 今後は、名駅の東側駅前だけでなく、西側も含めた、
 広域の名駅周辺の発展につながっていくことが期待されます。

 

 <名駅の地価情報>

 ・名駅がある中村区の2017年の地価公示価格の
  平均は122万2960円/㎡、
  坪単価404万2842円/坪、前年比は+21.53%の上昇です。

 ・中村区の最も高い価格地点は
  【名古屋市中村区名駅三丁目28番12号】で1500万0000円/㎡、
  坪単価4958万6776円/坪、前年比+15.38%の上昇です。

 

 【出典】

 ・「リニア名古屋駅地上部、東西に広場 市が計画」朝日新聞
  2017年5月25日付
  http://www.asahi.com/articles/ASK5R3DBTK5ROIPE006.html
 ・東洋経済オンライン「名鉄の名古屋駅新ビルが400mもある理由
  名鉄の名古屋駅新ビルが400mもある理由」2017年4月4日 大坂直樹
  http://toyokeizai.net/articles/-/165868
 ・名古屋駅周辺まちづくり構想 平成26年9月 名古屋市
http://www.city.nagoya.jp/jutakutoshi/cmsfiles/contents/0000059/59705/matidukurikousou_gaiyouban.pdf
 ・共立総合研究所レポート「変貌する名古屋駅前Ⅲ~
  “名駅ビッグバン”は名古屋をどう変えるか~」2006年7年6日
  江口忍 https://www.okb-kri.jp/_userdata/pdf/report/111_henbousurunagoyaekimae.pdf 
 ・谷川彰英「名古屋 地名の由来を歩く」ベスト新書
 ・「日本歴史地名体系 23 愛知県の地名」平凡社(1981)

 

この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2017年10月23日発行分の転載です。