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マンション価格の高騰

 不動産経済研究所によると、全国の新築マンション価格は
 2017年から2022年まで6年連続で過去最高を記録しました。
 (日経電子版2023年2月21日)

 今回はマンション価格高騰の背景について解説します。

 

過去10年間のマンション価格の推移

 東京カンテイが毎年発行する「新築マンション年収倍率」によると、
 2012年から2022年までの新築マンションの70平米の平均価格は
 次のように推移しました。

 <全国と主要都市圏>(2012年の価格→2022年の価格(上昇率))
  全国  2724万円→4212万円(62%上昇)
  首都圏 4407万円→6174万円(40%上昇)
  中部圏 2598万円→4262万円(64%上昇)
  近畿圏 3284万円→4906万円(49%上昇)

 <主な都道府県>(2012年の価格→2022年の価格(上昇率))
  北海道 2379万円→5578万円(234%上昇)
  宮城県 2895万円→4279万円(48%上昇)
  東京都 6028万円→8561万円(42%上昇)
  愛知県 3053万円→4907万円(61%上昇)
  大阪府 3420万円→5887万円(72%上昇)
  広島県 2523万円→3586万円(42%上昇)
  福岡県 2769万円→4450万円(61%上昇)

 このような価格高騰の背景は、
 日銀の大規模緩和政策による低金利によって
 住宅ローンの負担が低く抑えられていることも大きな要因の1つですが、
 その他に次の4つの動きがあります。

 

マンション価格の高騰に影響を与える4つの動き

1.富裕層による高額マンションの投資を含む旺盛な需要

 分譲価格が1億円以上のマンションは10年前の約4倍に増えており、
 1990年前後のバブル期と同じぐらいの勢いです。
 1億円以上のマンションは2022年に全国で3411戸が分譲されました。
 (日経電子版2023年11月20日)

 東京23区では、2023年1月~6月の新築マンションの平均価格が
 1億2962万円と初めて1億円を突破しました。
 (不動産経済研究所 首都圏・近畿圏マンション市場予測 2022年12月21日)

 2023年に分譲を開始した東京都港区の三田ガーデンヒルズは
 最低価格が2億3000万円からの1000戸以上の高額大型物件ですが、
 「予想を上回る売れ行き」のようです。(日経電子版2023年4月18日)

 このような高価格帯のマンションを購入するのは
 国内・海外の富裕層で、投資目的の購入も少なくありません。

 管理会社のダイワライフネクスト(東京都港区)が
 2021年1月時点で管理する高層マンション95棟のうち
 「40階建て以上の住戸の購入目的は約38%が投資目的」。
 (日経電子版2022年10月10日)

 特にアジアの富裕層や不動産投資家が高額物件を探しているようで、
 不動産仲介会社への問い合わせも増えているそうです。

 背景として、日本の不動産価格は海外の大都市と比べると安価であり、
 東京都(港区元麻布)のマンション分譲価格を100とした場合、
 香港は242.7、ロンドンは181.7と2倍近い価格です。
 2022年以降は為替相場が円安となり、さらに割安感が高まりました。
 海外の富裕層は、一次的な拠点やセカンドハウスとして使いつつ、
 値上がり後の売却を視野に入れて購入しているようです。
 (日経電子版 2023年7月30日)

 

2.地方都市の富裕層による高額マンションの需要

 地方都市にも20階建て以上の高層マンションが増えており、
 地方圏で2022年は22棟、2023年は16棟が竣工しました。

 北海道旭川駅前のプレミスト旭川ザ・タワーは
 1億円以上の住戸が13戸、最高価格が3億5千万円ですが、
 売上好調で、7割以上が地元の購入者のようです。(記事当時)

 福井県福井駅前のザ・福井タワースカイレジデンスは
 県内初の1億円以上のマンションですが、
 1億円を超す住戸9戸のうち7戸が成約。
 主に地元の富裕層や経営者が購入したようです。(記事当時)
 (日経電子版2023年7月30日)

 このように、地方都市の富裕層に高額マンションを購入する動きが見られます。

 

3.マンション供給の減少

 全国のマンション供給戸数は減少を続けており、
 2012年の93,861戸から2022年は72,967戸と23%減少しました。
 供給が限られていることも、マンション価格高騰の要因です。

 供給が限られる理由は、
 特に大都市圏でマンション用地が取得しにくくなっているためです。
 大都市圏は投資マネーの流入で土地価格も高騰しています。

 このような状況に対して、
 東急不動産は、民間企業が持つ遊休不動産の活用に注目しています。
 三井不動産レジデンスは、木造住宅の密集エリアをまとめあげて
 再開発することに力を入れているようです。
 (日経電子版2022年10月13日)

 

4.資材価格の高騰

 新型コロナの世界的流行やロシアのウクライナ侵攻による
 世界的な物流と需給バランスの混乱を受けて、資材価格が高騰しました。
 さらに、円安がその傾向に拍車をかけています。
 資材価格高騰も、マンション価格高騰の要因の1つです。

 経済調査会によると東京都の2023年3月の建設資材価格は2年前から約4割上昇。
 資材価格の高騰がマンションの販売価格に転嫁されるまでにはタイムラグがあるため、
 引き続き資材価格の高騰が価格上昇要因になると予想されます。
 (日経電子版2023年4月18日)

  

 さて、今回はマンション価格の高騰の背景にある要因を分析しました。

 今後のマンション価格はどうなっていくのでしょうか。
 大きな影響を与える可能性がある要素は、金利の動向です。

 現状では、日銀は従来からの大規模緩和政策を維持していますが、
 今後、円安や物価高騰の圧力が高まり、方針転換する可能性もあります。
 金利が上昇すると、マンションの購入を控える動きが広がり、
 マンション価格の引き下げ要因となります。

  

【参考】

 ・東京カンテイ「新築マンション年収倍率」
 ・不動産経済研究所 首都圏・近畿圏マンション市場予測 2022年12月21日
 ・日経電子版 2022年10月10日、2022年10月13日、2023年2月21日、
  2023年4月18日、2023年7月30日、2023年11月20日

 

この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2023年12月18日発行分の転載です。