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名古屋・東海収益不動産ガイド

リースバックとは?

 近年、不動産のリースバック取引が普及してきました。
 リース会社だけでなく、建築会社、不動産会社、不動産投資家、
 金融機関などがリースバック取引に参入するようになりました。

 最近は電通やエイベックスなどの大手企業が
 自社ビルをリースバック取引したことが話題になりました。

 今回はリースバックの仕組みと、
 リースバック物件への投資について解説します。

 

リースバックとは

 リースバックとは、住宅など物件の所有者が、
 不動産会社や投資家などに物件を売却するとともに、
 売主(旧所有者)が買主と賃貸借契約を結び、
 売主が買主に賃料を支払って物件を使い続ける不動産取引のことです。

 リースバックは住宅だけでなく、オフィス、倉庫、
 店舗、駐車場などの不動産物件にも適用可能ですが、
 以下では主に住居のリースバックについて解説します。

 住宅ローンの残債があっても、売却価格がローン残債を
 上回ればリースバックを利用することができます。
 売主は一度売却した物件を、再度買主から買い戻すこともできます。

 リースバックを利用する人に共通する動機は、
 「短期間でまとまった資金を調達したい」ということです。

 例えば、住宅ローンを早く完済したい、
 病気の治療や入院などでまとまったお金が必要になった、
 老後の資金を用意したい、借金や債務などの返済を減らしたい、
 緊急な事情で現金が必要になった、といった方が利用します。

 

売主にとってのリースバックのメリット

 売主にとってのリースバックのメリットは次の通りです。

 ・比較的短期間に現金化できる

  通常、住宅を売却しようとすると、買主を探して売却するまで
  相応の時間がかかります。

  リースバックは、売り主が引き続き住宅に住み続けることで
  安定した賃料収入が見込めるため、買い手が付きやすいと言えます。
  そのため、現金化までの時間が短くてすみます。
  売却までのさまざまな手続きも専門業者に任せることができます。

  不動産を現金化するため、相続時の財産分与もしやすくなります。

 ・住み慣れた家に住み続けることができる

  リースバックでは住居を売却しても、
  買主(新所有者)と賃貸借契約を結ぶことで、
  家賃を払いながら住み続けることができます。
  そのため転居をする必要がありません。

  子どもがいる世帯では、住宅を売却しても住み続けられるため、
  子どもの転校を心配する必要がないというメリットがあります。

  ただし、リースバック物件の家賃は、
  周辺物件の賃貸相場と比べて高くなるケースが多いです。

 ・賃貸なので維持費が不要になる

  賃貸物件になるので、自宅を所有することで発生する
  固定資産税や修繕費などの維持費がかかりません。

  逆に、持ち家ではなくなるため、
  物件への工事や造作を勝手にすることができなくなります。

 ・物件を買い戻せる

  売買契約において「買戻し特約」が盛り込まれている場合は、
  元の所有者は買主との間で取り決めた期間内に
  買戻し金額を支払うことで買戻しができます。

 

不動産投資家がリースバック物件を購入するには

 リースバック物件を購入したい不動産投資家は、
 不動産会社に予めリースバック物件の購入を打診しておくことで、
 リースバック案件が持ち込まれた際に
 紹介してもらえる可能性があります。

 また、住宅をリースバックしたい売主と、
 物件を購入したい不動産会社、不動産投資家、ファンドとの
 取り引きを仲介するリースバック仲介会社があります。
 この仲介会社を通じてリースバック物件を購入することもできます。

 

リースバック物件への投資のメリット

 リースバック物件への投資のメリットについて、
 買主(新所有者)の視点で確認します。

 ・高い利回りを期待できる

  リースバック物件の売値は相場よりも2〜3割ほど
  安価になる傾向があります。
  そのため利回りが高くなることが期待できます。

 ・空室リスクが低い

  住宅の場合、売主(元所有者)がそのまま物件に住み続け、
  比較的長く住み続ける傾向にあります。
  そのため、買主が入居者を募集する必要がなく、
  空室リスクも低いといえます。

 ・短期間で売却できる可能性もある

  リースバック物件は第三者に売却することも可能です。
  その場合、元の売主との賃貸借契約は第三者に引き継がれます。

  売買契約書に買い戻し特約条項がある場合は、
  売主が買い戻しの希望に応じる必要があります。
  そのため短期間で元の売主に売却できる可能性もあります。

 さて、今回はリースバックの仕組みと、
 リースバック物件投資のメリットについて解説しました。

 リースバック物件は空室リスクが低いため、
 比較的ハードルが低い不動産投資と言えるかもしれません。

 

 【参考】

 ・一般社団法人リースバック協議会 リースバックの歴史
  https://leaseback.network/leaseback/history/
 ・セゾンファンデックス
  https://www.fundex.co.jp/kojin/product/leaseback/3_flow.html
 ・リースバックプラス 「リースバックはどんな人におすすめ?
  仕組みやメリット・デメリットも解説」
  https://tinyurl.com/24kk9rj7
 ・リースバックプラス 「投資対象として考えるリースバック物件の
  メリット・デメリット
  https://tinyurl.com/9j2ey86v
 ・リライフモード
  https://www.rehouse.co.jp/relifemode/column/at/at_0035/
 ・センチュリー21
  https://www.century21-leaseback.jp/qualified/
 ・ライフルホーム
  https://www.homes.co.jp/cont/press/rent/rent_00453/
 ・SBIエステートファイナンス
  https://www.sbi-efinance.co.jp/contents/what_is_a_leaseback/
 ・リースバック支援センター https://lease-back.com/

 

この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2021年9月27日発行分の転載です。