
前回のメルマガにつづき、今回は
「住宅インスペクション」の具体的な内容を解説します。
仲介業者に課せられる義務
前回のメルマガで、「改正宅地建物取引業法」の
「建物状況調査(住宅インスペクション)」の関連規定が
2018年4月1日から施行されると説明しました。
この施行によって、仲介業者には、
中古住宅の売買の際に次のことが義務付けられます。
・売り主・買い主に住宅インスペクションを実施するかどうか
確認すること
・住宅インスペクションを行った場合、その結果を買い主に
説明すること
・売買契約が成立した時には、建物の基礎や外壁などの状況を
書面で売り手と買い手に示すこと
なお、住宅診断の実施自体が義務付けされるわけではありません。
住宅インスペクションの検査内容
住宅インスペクションでは具体的に
誰がどのような検査をするのでしょうか。
平成25年6月に国土交通省がまとめたガイドライン
「既存住宅インスペクション・ガイドライン」
に基づいて解説します。
1)検査を行う人(検査人)
ガイドラインでは特段の資格が必要とはしていませんが、
住宅の建築や劣化・不具合等、検査や判定に関する
知識と経験が求められる、としています。
実際には、1級建築士、2級建築士が検査する
ケースが多いです。
また、民間の日本インスペクターズ協会は2009年から
「ホームインスペクター(住宅診断士)」の資格試験を
行っており、毎年200人前後が合格しています。
2)検査方法
検査人が目視を中心とした検査を行います。
足場などを組むことなく、通常の手段で移動できる範囲
とされ、床下や天井裏も点検口から目視可能な範囲までが
点検の対象です。
また、依頼主の意向に応じて、足場を組んで実施する
屋根の検査や、小屋根裏点検口や床下点検口から進入して
行う検査、電磁波レーダー等を用いた鉄筋探査や
ファイバースコープカメラ等を用いて行う検査についても、
追加的に行うことが考えられています。
なお、破壊検査は原則として対象とされていません。
3)検査内容
次の項目がどの物件にも共通する検査項目とされています。
・構造耐力上の安全性に関係する項目
小屋根、柱・梁、床、土台・床組、壁、基礎など。
・雨漏り・水漏れの発生に関係する項目
屋根、外壁、サッシ、小屋根、天井、内壁
・設備配管の劣化に関係する項目
給水管、給湯管、配水管、換気ダクト
4)検査に必要な料金・時間
料金は検査を行う事業者により異なりますが、
日本インスペクターズ協会によると、目視による基本検査
(建物面積が100平方メートル・約30坪)の場合
検査の所要時間は2~3時間で、費用は5~6万円程度です。
機材を使用するなどの追加的な診断をする場合は、
10万円以上になることもあるそうです。
以上が住宅インスペクションの内容です。
弊社は中古住宅も含め、お客様に様々な選択肢をご提案します。
住宅インスペクションのご相談にも応じさせていただきますので、
ご関心がありましたら、弊社にご相談ください。
<参考URL>
・日本ホームインスペクターズ協会
https://www.jshi.org/what/
・「既存住宅インスペクション・ガイドライン」
国土交通省 平成25年6月
http://www.mlit.go.jp/common/001001034.pdf
この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2017年8月21日発行分の転載です。