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建物の防水メンテナンス2.外壁、バルコニー・ベランダ

 今回のメルマガは前回に引き続き、建物の防水メンテナンス
 についてとりあげます。今回は外壁、バルコニー・ベランダの
 防水対策についてご紹介します。

 

マンションの外壁防水

 マンションの外壁にこのような現象が見られるなら、
 専門業者に点検してもらうことが望ましいです。
  ・壁を指でこすると白い粉がつく
  ・塗装面のひび割れ・はがれが見られる
  ・外壁の汚れが目立つ
  ・建材の隙間を埋める目地(コーキング、シーリング)の劣化

 なお、ドローンを使って、赤外線で外壁の劣化診断や漏水の
 原因調査をするサービスもあるようです。

 マンションの外壁防水は、外壁を塗装する(塗り壁)か、
 壁にタイル、サイディング、ALCを貼り付けたものが一般的です。

 ・塗り壁
  塗り壁の外壁は、セメントに砂を混ぜたモルタルの上に
  塗料を塗ります。塗り壁は原則として再塗装が必要となり、
  約8~10年経って塗膜が劣化する前に再塗装を行う必要があります。

 ・タイル外壁
  タイルを外壁に貼るタイル外壁は、施工費用がかさみますが、
  防水性、耐久性が高く、メンテナンスの手間が最も少ない
  外壁材です。耐用年数は約30年とされています。
  約10年に一度、浮きや欠け、目地の点検が必要です。

 ・サイディング
  窯業、金属、樹脂系の素材を板状に成形したものを外壁に
  貼り付けます。軽量で耐水性に優れています。
  どのサイディング材も、表面を塗装しなければ本体が劣化します。
  約10~15年ごとに、再塗装や目地の点検を行う必要があります。

 ・ALC(軽量気泡コンクリート)
  内部に気泡を含むALCパネルは軽く、
  マンションなど高層の建物で使われることが多い外壁材です。
  ただ、ALC自体は耐水性が低いため、予め防水材を塗ってあるものを
  使うか、工事現場で防水処理を施す必要があります。
  また、パネルの継ぎ目が多くなります。
  継ぎ目のメンテナンスも重要になります。
  約10年~15年ごとに、再塗装や目地の点検を行う必要があります。

 外壁のメンテナンスは足場を組んで行うこととなり、
 住民にも不便を強います。通常はマンションの理事会で決められた
 大規模修繕の際に外壁塗装を行います。
 大規模修繕のタイミングは、塗装の機能が持続するよう設定します。

 それには、塗料も考慮に入れる必要があります。
 塗料によって耐用年数が異なるためです。
 主にウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料が用いられます。

 ・ウレタン塗料
  標準的に用いられてきた塗料で、防水性が高く、費用が安価です。
  塗料の中でも弾性が高く、コンクリートや塗り壁のひび割れを
  防ぐために選ばれることがあります。
  耐用年数は約10年とされています。

 ・シリコン塗料
  現在、標準的になりつつある塗料で、費用対効果が高いです。
  ウレタン塗料よりも耐久性が高く、費用もやや割高になります。
  耐用年数は約10~15年とされています。

 ・フッ素塗料
  外壁用塗料の中で最もグレードが高い塗料です。
  シリコン塗料よりも耐久性が高く、費用も高額です。
  紫外線や汚れに強い塗膜を作ることも特徴です。
  耐用年数は約15~20年とされています。

 フッ素塗料は高額ですが、外壁塗装のスパンを長くできるため、
 長期的に見れば修繕費用を安く抑えられる場合もあります。

 

戸建て住宅の外壁のメンテナンス

 戸建て住宅の外壁の剥離やひび割れがある場合は、
 外壁内部にも影響が生じており、すぐにもメンテナンスが必要です。

 外壁の塗装の剥離、外壁を触ったときに粉が付く状態、
 または塗料の色が薄くなったりツヤが失われている状態なら、
 塗料の機能が失われており、外壁にも影響がある可能性があります。
 このような場合もメンテナンスが必要です。

 住宅の外壁の主なメンテナンス方法としては、
 外壁塗装、外壁カバー工法、外壁の張替えがあります。

 ・外壁塗装
  建物の外壁が痛んでいなければ、塗装でメンテナンスすることが
  できます。他の方法に比べると工事費が安く工期も短いです。
  補修可能なひび割れは、補修した上で塗装します。
  用いられる塗料は、マンションの外壁塗装と同様に、
  主にウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料が用いられます。

 ・外壁カバー工法
  建物の外壁の強度が保たれている場合に、既存の外壁を撤去せず、
  上から新しい外壁を貼り付けることでコストを抑える方法です。

 ・外壁の張替え
  外壁に補修しきれない不具合があったり、外壁の耐用年数に
  達し、外壁の強度が保てない場合に行います。
  既存の外壁を撤去し、新しい外壁に張り替えます。
  外壁を取り外す際に、防水シートもあわせて取り替えることが
  できます。

 戸建て住宅で外壁に用いられる材質は主に次の3種類です。

 ・タイル
  重量がありますが、耐水性・耐久性に優れています。
  耐用年数は40年が目安と言われています。
  10年を目安に、浮きや欠け、目地の点検が必要です。

 ・サイディング
  窯業系、金属系、木質系、樹脂系の素材を板状に成形した
  外壁です。軽量で耐水性に優れています。
  耐用年数は材質によって異なりますが、40年が目安と言われて
  います。10年~20年を目安に再塗装や目地の点検が必要です。

 ・モルタル
  セメントと砂を混ぜたものを塗装した外壁です。
  耐用年数は30年が目安と言われていますが、吸水性が高く、
  ひび割れが発生するなど劣化しやすいというデメリットが
  あります。10年~20年を目安に点検や再塗装が必要です。

 なお、窓のサッシと外壁の間を埋める目地(コーキング)の劣化が
 原因で水漏れすることもあります。
 外壁の点検の際には窓周辺の点検も欠かさず行う必要があります。

 

バルコニー・ベランダの防水メンテナンス

 バルコニー・ベランダは直接雨が降り込む場所で、
 防水メンテナンスは必須です。
 バルコニー・ベランダの水漏れを原因として、
 壁の劣化に繋がる可能性もあります。

 バルコニー・ベランダの床は、
 下地・防水層・トップコートの順で構成されます。
 防水層とトップコートは、雨や紫外線の影響により経年劣化します。
 それが雨漏りに繋がるケースも少なくありません。

 主なベランダ・バルコニーの防水方法は、ウレタン防水とFRP防水が
 あります。

 ・ウレタン防水
  下地にウレタン樹脂でできた防水材を塗装し、
  紫外線から守るためのトップコートで仕上げる方法です。
  材料が液状のため、複雑な形状の場所でも綺麗に仕上げられます。
  費用相場は1平米あたり4000円~7000円、耐用年数10~15年です。

 ・FRP防水
  下地にポリエステル樹脂を塗装し、ガラス繊維でできたマットで
  補強してトップコートで仕上げる方法です。
  費用相場は1平米あたり5000~20000円、耐用年数は10~15年です。

 ただし、いずれも、床表面のトップコートは約5年、
 防水層は10年~15年に1回、塗り替えることが推奨されます。
 床面の色褪せやひび割れが確認できれば、
 早い段階で塗り替える必要があります。

 また、ベランダの手すり・腰壁の継ぎ目部分などから雨漏りして、
 内部が腐食することもあるため、この部分の点検も必要です。

 さて、今回は外壁、バルコニー・ベランダの防水メンテナンス
 について解説しました。
 いつ来るか分からない台風・暴風雨に備えて、
 定期的な点検とメンテナンスを行うようにしましょう。

 

 【出典】

 ・管理組合サポート マンションの外壁の種類や人気の色は?
  大規模修繕を検討中の方必見!
  https://stalgie.co.jp/kanrikumiai/outer-wall-type/
 ・町の外壁塗装屋さん 東東京店
  外壁の塗り替えと張り替え、外壁カバー工法、どちらがお得!?
  https://www.tosouyasan13.net/gaihekireform-hikaku/
 ・木造住宅のバルコニーは防水対策が重要!異常時は補修も必須
  http://fudousantoushi-toshokan.jp/ftt0000213-post/
 ・ユーコーナビ ベランダ防水の費用相場が分かる!余計な出費を
  抑える3つのポイント
  https://yuko-navi.com/veranda-waterproofing-cost
 ・外壁塗装でにっこりリフォーム ベランダ防水工事
  ~FRP防水とウレタン防水の費用~
  http://www.gaihekitoso-yane.com/amamori/2475/

 

この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2019年8月19日発行分の転載です。