
中古分譲マンションや中古戸建て物件への投資を
検討している方も多いのではないでしょうか。
投資用の中古物件は、新築に比べて販売価格が安いため、
高い利回りを確保できる可能性があります。
一方で、中古物件に特有のリスクも存在します。
今回は、投資用の中古分譲マンション・戸建て物件を
購入する際のチェックポイントをご紹介します。
なぜ売り主が手放したいのか考える
売り主が、なぜその中古物件を手放したいのかを考えてみましょう。
売り主が終活の一環で身辺整理をしたいという場合や、
何らかの目的で現金化をしたいという場合もあるかもしれません。
中には、問題がある物件を売り主が手放したいという場合も
ありえます。それは、次のような問題かもしれません。
・老朽化が目立つ
・立地やアクセスが悪く、空室率が高い
・不動産価格の下落にともない、損切り目的で売りに出される
・マンションの大規模修繕が計画的に行われていない
中古物件が売りに出される理由を考えることで、
当該物件の問題点や運用リスクを把握することができ、
適正な価格での購入につながりやすくなります。
その上で、下記のチェックポイントを抑えていきましょう。
ポイント1.人口動態・空室リスク
一般的に、人口が減少傾向のエリアは避ケて、
人口が増加する、または横ばいのエリアの物件を選ぶ方が、
また、公共交通機関の駅などから近い物件の方が、
不動産価格を維持しやすく、空室リスクを低くしやすいです。
そのエリアの人口の増減は、市区町村が公表する
人口動態調査などを調べることで、把握することができます。
公共交通機関の駅などから遠いエリアの物件は、
価格が安価なため、入居者がいれば利回りが高くなりやすいですが、
新規入居者を獲得しにくく、空室リスクが高い可能性があります。
表面上の利回りを鵜呑みにするのではなく、
入居者が退去する可能性がどれぐらいあるか、
空室になった際に新規入居者を獲得しやすいかどうかを、
よく見極める必要があります。
ポイント2.物件の耐震基準
建築基準法が定める耐震基準は、過去に2度の大きな改正がありました。
それが、1981年6月1日に施行された「新耐震基準」と、
2000年6月1日に施行された「2000年基準」です。
物件の耐震性は、個別の物件により異なりますが、
一般的には、より新しい基準で建築された建築物の方が、
耐震性が高いため、購入する物件がどの耐震基準に対応しているのか
を確認することが重要です。
「新耐震基準」は、震度6強~7程度の大地震でも建物が倒壊しない
ように定められた基準です。
なお、例えば建物の竣工日が1981年10月となっている場合でも、
建築確認日が1980年10月であれば、
旧耐震基準で建てられている可能性があります。
そのため、1981年前後に建築された物件については、
売り主側が所有する「建築確認通知書」で耐震基準を
確認するとよいでしょう。
「2000年基準」は、木造住宅を主な対象として、
新耐震基準をさらに強化するために制定された基準です。
地盤調査の規定が強化され、地盤の耐力に応じた基礎構造とすることや、
筋交い金物や柱頭柱脚(ちゅうとうちゅうきゃく)接合金物の使用、
耐震壁の配置バランス、偏心率、
外壁材を取り付ケる引っ掛ケ金物の使用の規定が加わりました。
ポイント3. 物件の欠陥や不具合
中古物件の購入において、最も注意したいのが物件の欠陥や不具合です。
1つ不具合があることで、空室に繋がったり、
多額の損害を生み出す可能性もあります。
以下を参考に、物件の隅々までチェックを行いましょう。
・雨漏りはないか
・水道管など水回りのトラブルがないか
・ガスコンロや給湯器は正常に作動するか
・扉の開閉に問題はないか
・建物に傾きはないか
・外装に細かいヒビ割れはないか
・内装にシミやカビの発生はないか
・床下にシロアリ被害はないか
中古物件の場合は、契約不適合責任が数ケ月しか設定されなかったり、
契約書で免責とされるケスがほとんどです。
物件の欠陥や不具合を、素人目線で見極めるのは困難です。
信頼できる不動産会社に協力を仰いだり、
ホームインスペクション(住宅診断)を利用するのも有効です。
ポイント4. 大規模修繕の状況
分譲マンションにおいては、
一般的には12年程度に一度のタイミングで大規模修繕が行われます。
修繕費用の削減を図るために、大規模修繕の間隔を15年や18年に
伸ばそうとするマンションもあります。
大規模修繕は、入居者から得られる修繕費積立金によって
計画的に行うことが基本です。
しかし、物件によって、大規模修繕が十分になされていなかったり、
修繕費積立金が滞納されている場合もあります。
そのため、中古マンションを購入する場合は、
大規模修繕が十分に行われているかどうか、
修繕費積立金が滞納されていないかも、確認する必要があります。
さて、投資用の中古分譲マンション・戸建て住宅の購入には、
新築物件の購入とは異なる目線が必要になります。
経験豊富な、信頼できる不動産会社に相談することも有効です。
もし投資用の中古分譲マンション・戸建て住宅の購入や売却を
お考えなら、当社が相談に応じさせていただきます。
【参考】
・【決定版】中古マンション投資で失敗しないための10のポイント
https://tinyurl.com/3vnud8xk
・昭和56年(1981年)以降の新耐震基準とは?旧耐震基準との違いについても解説
https://www.homes.co.jp/cont/reform/reform_00105/
・中古の戸建の購入!失敗しないチェックポイントを不動産投資家が解説
https://mofmof-investor.com/old_honse-255.html
・中古マンション投資を始めるなら「立地・利便性」が命
https://o-uccino.com/front/articles/47862
・at home 耐震基準とは?新耐震と旧耐震はどう違う?2000年基準についても紹介
https://tinyurl.com/ypeyy43z
この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2024年9月17日発行分の転載です。