最近では、顔認証システムやスマートフォンなど、
IT技術を生かしたセキュリティー設備が普及しつつあります。
そこで今回のメルマガでは、
マンションのセキュリティの最新設備をご紹介します。
顔認証システム
顔認証システムは、官公庁や金融機関、小売店などに
普及していますが、昨今、マンションの
セキュリティーシステムに導入されつつあります。
2017年3月18日から入居を開始した
名古屋市中区の高級賃貸マンションルシェット白川公園は、
全国の賃貸マンションで初めてエントランスに
顔認証によるドア開錠システムを導入しました。
レオパレス21も2017年7月31日に竣工する賃貸マンションに
顔認証によるドア開錠システムを導入しました。
顔認証システムは、あらかじめ居住者の顔の画像を
登録しておきます。居住者がエントランスに入るときに、
タブレット型端末に顔を近づけると、システムが
骨格や目、鼻、口などの位置を即座に測定し、
登録されている画像データと照合し、一致すればドアが開きます。
鍵がなくてもエントランスを開けることができるため、
両手に荷物を持っていても、鍵を取り出す必要がなく、便利です。
また履歴がサーバーに蓄積されますので、
いつ誰がエントランスに来たかも後から確認することもでき、
防犯カメラとしての機能も果たします。
スマホで玄関のドアを開ける「スマートロック」
「スマートロック」は、ドアの内側にある
サムターン（つまみ）の上に専用の装置を取り付けて、
スマートフォンにインストールしたアプリを使って、
Bluetooth通信で鍵の開閉をする仕組みです。
メーカーによって多少の機能の違いはありますが、
このようなことが可能です
・IDとパスワードで開閉でき、IDとパスワードに期限を設定できる
・一定時間後に自動で鍵が閉まる（オートロック）
・いつ、だれが開閉したという履歴を記録する
・Wifi通信によって外出先から遠隔操作により開閉できる
・オプションでドアの外側にキーパッドを付けて、
暗証番号で開閉できる
・オプションでフィーチャーフォン（ガラケー）でも開閉できる
価格帯は2万円から4万円前後です。
家電量販店やホームセンター、ネット通販でも購入が可能です。
なお、サムターンの型番によっては対応できないものもありますので、
予め対応する型番かどうかを確認する必要があります。
物件管理者にとっても業務効率化・セキュリティ強化
スマートロックは、マンション入居者だけでなく、
物件管理者の業務も効率化し、セキュリティを強化します。
入居者が入れ替わった際にも、
シリンダーを交換する必要が無くなります。
鍵の盗難や無断複製の恐れもありません。
また、仲介会社や入居予定者が物件を下見する際や、
管理物件を民泊として面識のない利用者に貸し出す際に、
オンラインで一時的に有効なIDとパスワードを発行することで、
特定の人の入退室を可能にすることができます。
セキュリティシステムと入居者専用の情報サービスとの連携
冒頭に紹介したルシェット白川公園には、
もう１つ特徴的な設備があります。
顔認証システムだけでなく、スマートロックも導入し、
それらと入居者専用のポータルサイトを連携させていることです。
入居者はこのポータルサイトを通じて、
宅配ボックスやラウンジスタッフが預かった荷物着荷のお知らせ、
避難訓練、消防訓練、設備点検などのお知らせ、
各種設備のマニュアルや入居規約などの資料などを
確認することができます。
このような入居者への情報サービスを、
セキュリティシステムと一体化させて利便性を高める取り組みは、
今後普及する可能性があります。
【出典】
※１ ルシェット白川公園Webサイト
http://lucente-shirakawakoen.jp/index.html
※２ 日本経済新聞 2017年7月8付朝刊
「賃貸マンション入り口、顔認証で解錠 レオパレス21が導入」
http://www.nikkei.com/article/DGKKASDZ07HEP_X00C17A7TJ1000/
参考）情報処理推進機構「生体認証導入・運用の手引き」
https://www.ipa.go.jp/files/000024404.pdf
この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2017年9月25日発行分の転載です。