
今回のメルマガは、前回に続き民泊に関する連載の2回目です。
現行制度の旅館業法に基づく簡易宿所営業の内容を解説します。
現行制度で宿泊営業を行うには、「旅館業法」に基づき、
「ホテル営業」「旅館営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」
のいずれかの許可を得る必要があります。
なお、旅館業法とは別に、国家戦略特区では、
床面積25平方メートル以上の宿泊施設を認定する条例が
ありますが、現時点では大阪府、大阪市、東京都大田区
でしか認められていないため、
ここでは説明を省略させていただきます。
旅館業法の中で、2016年4月に「簡易宿所営業」の
許可要件について、一度の宿泊者数が10名未満の施設を対象に
規制緩和されました。
今回は、この規制緩和された旅館業法の内容について説明します。
従来、客室の延べ床面積は33平方メートル以上と
定められていましたが、改正後は宿泊者数が10人未満の場合には、
3.3平方メートルに当該宿泊者数を乗じた面積以上であることと
されました。
また、宿泊者数が10名未満の施設の場合、フロントが設置されて
いなくても許可されるようになりました。
その他、宿泊施設として求められる衛生上の設備の条件
(換気、採光、照明、防湿及び排水の設備、入浴設備、洗面設備、
トイレなど)、都道府県が条例で定める構造設備の基準、
建築基準法や消防法への適合が必要となります。
営業日数の制限はなく、365日、毎日営業が可能です。
営業可能な用途地域は、第一種住居地域(条件有)、
第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、
準工業地域において、営業が可能ですが、
住居専用地域では営業ができません。
さらに、自治体の条例や地区計画にも従う必要がありますので、
個別に確認が必要となります。
(参考)厚生労働省 民泊サービスと旅館業法に関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000111008.html
次回のメルマガでは「住宅宿泊事業法(民泊新法)」について解説します。
この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2017年5月22日発行分の転載です。