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名古屋・東海収益不動産ガイド

IoTの住宅への導入

 前回はIT技術を利用したマンションのセキュリティーについて
 ご紹介しました。

 IT技術はセキュリティーだけでなく、
 住宅の様々な利便性を高めます。
 今回はIT技術の中でも、特に「IoT」と呼ばれる技術の
 住宅への応用についてご紹介します。

 IoTとはInternet of Things(モノのインターネット)の略です。
 エアコン、冷蔵庫、テレビ、ビデオ、電気ポットなどの家電や、
 鍵、インターホン、お風呂、窓・カーテン、電気、ガス、水道など
 の設備をインターネットにつなぐことで、
 これらをタブレットやスマートフォンなどの端末から
 遠隔操作したり、センサーやタイマーなどで自動制御したり
 することが期待されます。これらの技術は実用段階にあり、
 近年のうちに普及すると見込まれます。

 

IoTで可能になること

 IoTを住宅に導入することで、
 例えば次のようなことが可能になります。

 1.複数のリモコンを1つに
 家庭内にある、テレビ、ビデオ、エアコン、ステレオ、照明など
 様々な家電のリモコンをまとめて1つの端末
 (タブレットやスマートフォン)で操作ができるようになります。

 2.帰宅前に自宅を快適な環境にする
 自宅に帰る前に、スマートフォンを操作して、
 部屋の冷暖房を起動させて快適な温度にしておいたり、
 お風呂のお湯を張って帰宅してすぐお風呂に入ることもできます。

 3.つけっぱなしを防止
 ガスコンロの火がかけっ放しの時や、
 蛇口から水を出しっぱなしのときに、センサーが感知して、
 自動的に栓を締めるようにすることができます。
 留守中にエアコンのつけっぱなし、照明のつけっぱなしに
 なっているときも、人が不在の時には自動的に
 電源をOFFにすることもできます。

 4.子どもやお年寄りの見守り
 小さい子どもが1人で窓や浴室に近づいたら、
 開けないようにしたり、アラームで知らせたりすることができます。
 また、介護が必要な高齢者の日中の行動を、
 音や温度・湿度センサーで見守り、日常的な活動や体温の状況を
 家族に知らせたり、緊急度の高い異常時には
 家族やナースセンターに知らせることもできます。

 

実用化事例

 IoTの住宅への導入について、各社の実用化の一例を紹介します。

 ・LIXILは2015年に設立した研究施設「U2-Home」で
  戸建て住宅に200以上のセンサーを設置して
  生活のビッグデータを収集し、IoTの実証実験を行っています。

 ・東京急行電鉄は2016年からグループ会社の
  イッツコミュニケーションの「インテリジェント・ホーム」の
  サービスを活用し、外出先からスマートロックや照明の
  スイッチをオン・オフしたり、カメラやセンサーを、防犯や、
  子どもや高齢者の見守りなどに利用できるようにしています。

 ・リノベるはスマートハウス専用アプリ「Connectly App」を用いて
  見守りロボット「BOCCO」、IoT照明「Hue」、
  ロボット掃除機「ルンバ」を操作できるようにしたマンションを
  2017年1月に竣工しました。

 ・伊藤忠都市開発は睡眠支援システムを賃貸マンション向けに
  開発しました。寝返りの頻度をセンサーで感知し、
  室温などを調整して睡眠しやすい環境を整えるものです。

 ・ロボットホームが開発した「賃貸住宅キット」は
  一つのアプリで、家中の照明、エアコン、ト゛アホン、テレヒ゛、
  スマートロックを遠隔操作・自動制御できることが特長です。
  1セット8万円、月額費用1000円で利用可能です。
  2018年12月までに全国1万室に提供する計画です。
 
  この「賃貸住宅キット」を不動産開発・管理会社の
  デュアルタップが自社ブランドマンション
  「XEBEC(ジーベック)」に冬をめどに導入すると発表しました。

 

今後もIoTへの期待が高まる

 今後は住宅IoTを操作するための音声アシスタントが
 注目されそうです。すでにスマートフォンに搭載されている
 iPhoneのSiriやGoogle Assistantが普及していますが、
 米国では昨年からAmazon Echoが発売され人気となっています。

 これからもIoTによる新たな機能が実用化されていくと予想されます。
 今後は、入居希望者が住居を選ぶ際の選択基準として、
 IoTによる新機能へのニーズも高まるのではないでしょうか。

 

 【参考】

 ・東京急行電鉄 ニュースリリース 2016年3月30日
  http://www.tokyu.co.jp/company/news/list/?id=2408
 ・新建ハウジング 「「リノベる。スマートハウスプラン」
  の第一号物件が完成」2017年1月20日
  http://www.s-housing.jp/archives/100038
 ・日本経済新聞 「IoTで照明・空調「快眠」マンション
  伊藤忠都市開発」2017年7月5日
 ・ロボットホームWebサイト「賃貸住宅キット」を体験できる
  ショールーム2017年6月1日にオープン
  https://www.robothome.co.jp/case/index.html
 ・ロボットホームの「賃貸住宅キット」OEM提供が決定
  2017/6/12 https://www.tateru.co/press/post/10273/

 

この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2017年10月9日発行分の転載です。