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名古屋・東海収益不動産ガイド

令和3年の基準地価(東海三県編)

名古屋市中区錦付近

 前回に引き続き、
 今回は令和3年の基準地価(東海三県編)として、
 愛知県、岐阜県、三重県の状況を解説します。

 

愛知県

 愛知県全体では、商業地は1.0%上昇(昨年1.1%下落)と上昇に転じ、
 住宅地は0.2%上昇(昨年0.7%下落)と上昇に転じました。

 名古屋市の商業地は3.2%上昇(昨年1.5%下落)と上昇に転じました。
 住宅地は1.3%上昇(昨年0.8%下落)でした。

 名古屋市の商業地は、市中心部は栄地区の再開発の進展などにより
 投資活動が活性化しており、
 中区で7.2%上昇、熱田区で5.4%上昇、中村区で5.3%上昇。
 名古屋市の住宅地は、中心部ではマンション需要が根強く、
 中区で8.0%上昇、熱田区で3.9%上昇、南区で3.4%上昇、
 東区で2.6%上昇、中村区で2.5%上昇しました。

 名古屋市以外では、
 知多地域や西三河地域で上昇に転じた市町が複数あります。
 商業地は、大府市は1.6%上昇(昨年0.8%下落)しました。
 住宅地は、刈谷市が2.8%上昇(昨年0.4%上昇)、
 安城市は2.0%上昇(昨年0.1%下落)、
 大府市が1.7%上昇(昨年0.1%下落)、
 知立市が1.4%上昇(昨年0.1%下落)しました。
 一方、南知多や東三河エリアでは下落が続きました。

 愛知県の最高地価地点とその地価は次の通りです。
 商業地:名古屋市中村区名駅3丁目2701番外
     (大名古屋ビルヂング)    1840万円/平米。
 住宅地:名古屋市中区錦1丁目324番1  120万円/平米。
 大名古屋ビルヂングの地価は2019年の1750万円を上回りました。

 愛知県の商業地、住宅地の上昇率上位地点は次の通りです。

 

 <商業地の上昇率上位地点(愛知県)>

 1位 名古屋市中区錦2丁目1901番  11.5%上昇
 2位 名古屋市中区錦3丁目527番外  11.3%上昇
 3位 名古屋市中区錦1丁目206番  11.1%上昇
 4位 名古屋市中村区名駅2丁目4010番 10.2%上昇
 5位 名古屋市中区大須3丁目1707番  9.5%上昇

 

 <住宅地の上昇率上位地点(愛知県)>

 1位 名古屋市中区錦1丁目324番1  13.2%上昇
 2位 名古屋市中区丸の内1丁目735番  8.0%上昇
 3位 刈谷市大手町5丁目38番5  5.6%上昇
 4位 名古屋市中村区則武2丁目2201番  5.3%上昇
 5位 刈谷市若松町4丁目12番  5.2%上昇

 なお、工業地では
 愛知県海部郡飛島村東浜2丁目1番25外が14.0%上昇と、
 全国の工業地で4番目の上昇率となりました。
 今年5月に名古屋第二環状自動車道が全線開通し、
 物流倉庫等の需要が旺盛なためです。

 

岐阜県

 岐阜県は29年連続で商業地・住宅地が下落。
 商業地は1.9%下落(昨年2.2%下落)。
 住宅地は1.6%下落(昨年2.0%下落)。
 ともに下落率は前年より縮小しました。

 岐阜市は商業地が1.4%下落(昨年0.1%下落)、
 住宅地が1.0%下落(昨年0.6%下落)しました。

 岐阜県の最高地価地点とその地価は次の通りです。
 商業地:岐阜市吉野町5丁目17番外(大岐阜ビル)
      618,000円/平米。
 住宅地:岐阜市加納本町3丁目7番1外
      167,000円/平米。

 岐阜県の商業地、住宅地の上昇率上位地点は次の通りです。

 

 <商業地の上昇率上位地点(岐阜県)>

 1.多治見市音羽町4丁目85番  0.6%上昇(昨年1.1%上昇)
 2.多治見市住吉町6丁目42番1外  0.6%上昇(昨年0.9%上昇)
 (商業地の上昇地点は2地点だけです)

 

 <住宅地の上昇率上位地点(岐阜県)>

 1.岐阜加納本町3丁目7番1外 2.5%上昇(昨年0.0%)
 2.多治見市音羽町1丁目16番4  2.0%上昇(昨年2.6%上昇)
 3.岐阜市今嶺2丁目1番4  1.9%上昇(昨年0.0%)
 4.多治見市上野町4丁目15番  1.9%上昇(昨年1.5%上昇)
 5.中津川市茄子川字下諏訪1586番20 1.8%上昇(昨年0.0%)

 多治見市は2022年まで駅前で再開発が進められているため、
 駅に近い商業地・住宅地が上昇しています。
 中津川市はリニア新幹線の新駅の開発が着手されています。

 一方、高山市の商業地で最も下落した地点は
 高山市上三之町51の10.9%下落(昨年9.3%下落)であり、
 これは全国の商業地でも4番目の下落率でした。

 

三重県

 三重県は商業地は30年連続、住宅地は29年連続の下落となりました。
 商業地は1.6%下落(昨年1.3%下落)。前年より下落率が広がりました。
 住宅地は1.6%下落(昨年1.6%下落)。

 商業地では、四日市市は0.7%下落(昨年0.2%上昇)。
 桑名市は0.9%下落(昨年0.1%上昇)。
 津市は1.2%下落(昨年0.7%下落)となりました。
 南勢、東紀州方面は下落が続いてます。

 住宅地では、四日市市は0.4%下落(昨年0.2%下落)。
 桑名市は1.1%下落(昨年0.9%下落)。
 津市は0.1%下落(昨年0.9%下落)となりました。
 津市、四日市市、鈴鹿市、桑名市で横ばい地点があり、
 津市以北の地域で改善が進んでいます。
 南勢、東紀州方面は下落が続いてます。

 三重県の最高地価地点とその地価は次の通りです。
 商業地:四日市市安島1丁目124番 289,000円/平米
 住宅地:津市大谷町97番49  99,000円/平米

 三重県の商業地、住宅地の上昇率上位地点は次の通りです。

 

 <商業地の上昇率上位地点(三重県)>

 1.桑名市寿町2丁目10番外 0.8%上昇(昨年1.7%上昇)
 (三重県の商業地の上昇地点は1地点だけです)

 

 <住宅地の上昇率上位地点(三重県)>

 1.桑名市松並町2丁目6番19 0.4%上昇(昨年1.1%上昇)
 (三重県の住宅地の上昇地点は1地点だけです)

 さて、2回にわたり令和3年の基準地価について解説しました。
 コロナ禍の打撃が大きい商業地を中心に全国的に下落しましたが、
 愛知県は例外的に回復基調が強かったと言えます。

 コロナ禍がいつ収束するかは見通せませんが、
 やがてコロナ禍が収束し、飲食業や観光需要が回復することを
 見据えた不動産投資の準備も必要になるかもしれません。

 

 【参考】

 ・日本経済新聞 2021年9月22日
 ・中日新聞 2021年9月22日
 ・中部経済新聞 2021年9月22日
 ・愛知県 令和3年愛知県地価調査(令和3年(2021)9月21日公表)
  https://www.pref.aichi.jp/soshiki/toshi/0000029550.html
 ・岐阜県 令和3年地価調査の結果
  https://www.pref.gifu.lg.jp/page/85964.html
 ・三重県の土地価格〔令和3年三重県地価調査〕
  https://www.pref.mie.lg.jp/SHIGEN/HP/000230690_00020.htm

 

この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2021年11月1日発行分の転載です。