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名古屋・東海収益不動産ガイド

令和5年の地価公示(東海三県編)

名古屋市東区泉付近

 今回は令和5年の地価公示について、
 名古屋圏・東海三県の状況をご紹介します。

 

愛知県の住宅地(( )は前年)

 愛知県は住宅地2.3%上昇(1.0%上昇)2年連続で上昇しました。
 名古屋市は3.7%上昇(2.2%上昇)、全16区で上昇率が拡大しました。
 上昇率が高い順に、中区11.1%、東区6.5%、南区5.8%、
 熱田区5.7%、瑞穂区4.0%となりました。
 マンションや優良住宅地域の供給が限られており地価は上昇傾向です。

 尾張地域は1.5%上昇(0.5%上昇)。
 西三河地域は3.0%上昇(1.2%上昇)。
 自動車関連産業の業績が順調で刈谷市や安城市などで上昇傾向が継続。
 知多地域は1.9%上昇(0.1%上昇)。
 知多北部の東海市や大府市は、名古屋市や西三河への通勤利便性が高く、
 地価水準が割安であることから、地価が上昇しています。
 東三河地域は0.1%下落(0.4%下落)。
 知多南部地域と東三河地域は過疎化・高齢化により下落傾向が
 続いています。

 愛知県の住宅地の上昇率上位地点は次の通りです。
 1位 名古屋市東区泉1-5-26 18.2%
 2位 名古屋市中区丸の内3-8-1 17.5%
 3位 名古屋市中区上前津2-12-9 16.0%
 4位 愛知県東海市大田町後田141-3 13.6%
 5位 愛知県東海市大田町蟹田122—1 13.4%

 

愛知県の商業地

 愛知県は3.4%上昇(1.7%上昇)で2年連続で上昇しました。

 名古屋市は5.0%上昇(3.2%上昇)。全16区で上昇率が拡大しました。
 上昇率が高い順に、東区6.4%、千種区6.2%、中区5.8%、
 中村区5.5%、熱田区5.0%となりました。
 名古屋市中心部は人流の回復により店舗需要が回復しています。
 名駅や栄では再開発の期待があります。マンションの需要も堅調です。

 尾張地域は1.6%上昇(0.6%上昇)。
 西三河地域は3.2%上昇(0.8%上昇)。
 刈谷市、安城市、知立市などは住宅地の上昇を受けて商業地も上昇。
 知多地域は1.0%上昇(0.5%下落)。
 東三河地域は0.8%上昇(0.2%上昇)。

 愛知県の商業地の上昇率上位地点は次の通りです。
 1位 名古屋市東区泉1-13-34 13.8%
 2位 名古屋市中区錦2-19-1 13.2%
 3位 名古屋市中区錦2-11-31 12.8%
 4位 名古屋市中区栄4-14-31 12.7%
 5位 名古屋市東区泉1-23-22 11.4%

 

愛知県の工業地

 愛知県は3.3%上昇(1.7%上昇)と上昇幅が拡大。
 名古屋市は5.8%上昇(2.4%上昇)と上昇幅が拡大しました。
 ほかに5%以上上昇した市町村は、飛島村7.8%上昇、
 東海市6.7%上昇、みよし市6.2%上昇、安城市5.0%上昇でした。

 

岐阜県の住宅地

 岐阜県は0.6%下落(1.2%下落)と31年連続で下落しました。
 岐阜市は0.3%下落(0.5%下落)。
 優良住宅エリアや駅近エリアでは上昇幅が拡大しました。
 上昇した市町村は、岐南町1.0%上昇、中津川市0.6%上昇、
 美濃加茂市0.1%上昇となりました。

 岐阜県の住宅地の上昇率上位地点は次の通りです。
 1位 岐阜県多治見市音羽町1-16-4 3.2%
 2位 岐阜県岐阜市加納本町3-7-1外 3.0%
 3位 岐阜県多治見市宝町3-178-3 2.3%
 4位 岐阜県羽島市舟橋町宮北8-20 2.1%
 5位 岐阜県岐阜市西荘3-16-30 2.0%

 

岐阜県の商業地

 岐阜県は0.3%下落(0.9%下落)と31年連続で下落しました。
 岐阜市は0.2%上昇(0.3%下落)と上昇に転じました。
 ほかに上昇した市町は、高山市1.3%上昇、多治見市0.8%上昇、
 岐南町0.5%上昇、羽島市0.1%上昇でした。

 岐阜県の商業地の上昇率上位地点は次の通りです。
 1位 岐阜県岐阜市吉野町5-17外 4.3%
 2位 岐阜県岐阜市清住町1-9 2.1%
 3位 岐阜県多治見市音羽町1-224 2.1%
 4位 岐阜県高山市花里町6-25-2外 2.0%
 5位 岐阜県高山市上三之町51 1.8%

 

岐阜県の工業地

 岐阜県は0.4%上昇と、31年ぶりに上昇に転じました。
 物流施設などに堅調な需要があります。
 上昇した市町は、羽島市1.7%上昇、大垣市1.3%上昇、
 多治見市1.0%上昇、安八町1.0%上昇と、
 主に東海環状自動車道のICやその予定地周辺が上昇しました。

 

三重県の住宅地

 三重県は0.2%下落(0.7%下落)と31年連続の下落。
 四日市市は0.3%上昇(0.1%下落)と上昇に転じました。
 津市は0.0%(0.5%下落)で下落から横ばいになりました。
 ほかに県北・県中部で上昇した市町があり、桑名市0.1%上昇、
 鈴鹿市0.2%上昇、菰野町0.1%上昇、朝日町0.2%上昇、
 川越町0.3%上昇。亀山市は0.0%と下落から横ばいになりました。

 三重県の住宅地の上昇率上位地点は次の通りです。
 1位 三重県桑名市大字東方字徳成1601-30 2.5%
 2位 三重県津市南が丘3-10-21 2.2%
 3位 三重県桑名市大字東方字打上田251-2外 2.0%
 4位 三重県桑名市汐見町2-12 1.9%
 5位 三重県四日市市堀木2-331 1.8%

 

三重県の商業地

 三重県は0.3%下落(0.8%下落)と31年連続の下落。
 四日市市は0.5%上昇(0.1%下落)と上昇に転じました。
 津市は0.2%下落(0.6%下落)と下落幅が縮小しました。
 桑名市は0.3%上昇(0.2%下落)と上昇に転じました。
 鈴鹿市、菰野町、川越町が下落から横ばいになりました。

 三重県の商業地の上昇率上位地点は次の通りです。
 1位 三重県四日市市諏訪栄町212 3.0%
 2位 三重県四日市市鵜の森1-238 1.9%
 3位 三重県伊勢市宇治在家町字中賀集楽47-1外 1.7%
 4位 三重県四日市市安島2-32-2 1.4%
 5位 三重県四日市市鵜の森1-130-2外 1.1%

 利便性や集客力が高いエリアで需要が高まりました。

 

三重県の工業地

 三重県は1.1%上昇(0.2%下落)と、30年ぶりに上昇に転じました。
 物流施設を中心に堅調な需要があります。
 ほかに上昇した市町は、川越町2.1%上昇、四日市市2.0%上昇、
 桑名市1.2%上昇、鈴鹿市0.7%上昇、津市0.3%上昇、
 伊賀市0.1%上昇と、県北部・中部の工業地で上昇が見られました。

 さて、2回にわたって令和5年の地価公示について解説しました。
 コロナ禍の影響を受けて地価が下落した昨年や一昨年に比べて、
 今年は全体的に地価の回復傾向が見られました。
 しかし多くの地域ではまだ回復途中であり、上昇余地があります。

 なお、リスク要素としては、欧米では金利が引き上げられており、
 今後、日銀も金利を引き上げると、不動産価格が下落に向かいます。
 これらの動きを注視する必要があります。

 

 <出典>

 ・令和5年地価公示 ttps://tinyurl.com/6mvkkkcd
 ・愛知県 愛知県地価情報(地価調査・地価公示)
  https://www.pref.aichi.jp/soshiki/toshi/0000029550.html
 ・岐阜県 令和5年地価公示の結果
  https://www.pref.gifu.lg.jp/page/213583.html
 ・三重県 三重県の土地価格〔令和5年地価公示〕
  https://www.pref.mie.lg.jp/SHIGEN/HP/000223835_00004.htm
 ・日本経済新聞 2023年3月23日
 ・中日新聞 2023年3月23日
 ・中部経済新聞 2023年3月23日

 

この原稿は名城企画株式会社が発行する「名古屋・東海収益不動産NAVIメールマガジン」の
2023年5月8日発行分の転載です。