
ナゴヤ セントラルガーデン(名古屋市千種区)
今回は前回に続き、国土交通省が令和7年3月18日に発表した
令和7年の地価公示について、名古屋圏・東海三県の状況を解説します。
※以下( )は前年を表します。
「%」は通常は上昇を表し、下落の場合のみ「%下落」と表記します。
愛知県
【住宅地】
愛知県の住宅地は2.3%(2.8%)と上昇幅が縮小しました。
名古屋市は3.6%(4.5%)と上昇幅が縮小しました。
全16区のうち2区で上昇幅が拡大、14区で上昇幅が縮小しました。
建築費の高騰に伴う物件価格の上昇によって需要の伸びが鈍化しました。
名古屋市で上昇幅が大きい区は、
熱田区8.4%(9.1%)、中村区5.2%(6.1%)、千種区4.8%(6.0%)、
東区4.2%(8.1%)、名東区4.1%(8.1%)でした。
名古屋市以外で上昇幅が大きかったのは、
大府市6.4%(7.6%)、長久手市4.9%(4.3%)、知立市4.4%(7.2%)、
豊明市4.1%(4.1%)、阿久比町3.8%(2.8%)でした。
<愛知県の住宅地の上昇率上位5地点>
1位 名古屋市熱田区高倉町611番 10.6%
2位 名古屋市千種区桐林町2丁目37番 10.3%
3位 名古屋市千種区豊年町1602番 9.9%
4位 名古屋市熱田区神宮2丁目102番 9.8%
5位 名古屋市熱田区花表町1808番 9.8%
1位、4位、5位の地点は名古屋鉄道の神宮前駅周辺です。
神宮前駅のそばに「あつたnagAya」が開業し集客力が高まりました。
2位の地点は名古屋市営地下鉄東山線の今池駅に近い住宅地、
3位の地点は名古屋市営地下鉄東山線の池下駅に近い住宅地です。
周辺でマンションの開発が相次ぎ、地価が上昇しました。
【商業地】
愛知県の商業地は3.7%(4.2%)。
名古屋市は5.0%(6.0%)。
全16 区のうち3区で上昇幅が拡大、2区で同率、11区で上昇幅が縮小。
上昇幅が大きい区は、千種区8.9%(8.9%)、熱田区7.0%(7.8%)、
中村区5.7%(6.8%)、瑞穂区5.0%(4.9%)、中区4.7%(6.9%)でした。
名古屋市中心部では建築費高騰により
投資に慎重な姿勢も顕在化しており、需要の伸びが鈍化しました。
名古屋市以外で上昇幅が大きい市町村は、
大府市9.1%(8.3%)、刈谷市6.2%(8.0%)、知立市6.2%(9.1%)、
安城市5.7%(7.7%)、稲沢市5.6%(3.7%)でした。
<愛知県の商業地の上昇率上位5地点>
1位 名古屋市千種区今池1丁目805番外 14.2%
2位 名古屋市千種区姫池通3丁目7番 13.8%
3位 大府市中央町3丁目73番 12.5%
4位 名古屋市千種区今池4丁目1611番 11.1%
5位 名古屋市千種区今池4丁目409番 11.0%
上位5地点のうち4地点を名古屋市千種区が占めました。
1位、4位、5位の地点は名古屋市営地下鉄東山線の今池駅の近く、
2位の地点は名古屋市営地下鉄東山線の覚王山駅の近くです。
3位の地点は大府駅前です。
いずれの地点もマンション用地需要が強く、需要が競合しています。
岐阜県
【住宅地】
岐阜県は0.3%下落(0.4%下落)と33年連続で下落しました。
岐阜市は0.1%下落(0.1%下落)。
上昇幅が上位の市町村は、岐南町1.2%(1.3%)、中津川市0.6%(0.7%)、
北方町0.6%(0.2%下落)、多治見市0.4%(0.1%)、瑞浪市0.3%(0.1%)、羽島市0.3%(0.2%)でした。
<岐阜県の住宅地の上位5地点>
1位 岐阜市西荘3丁目16番30 5.6%
2位 多治見市音羽町1丁目16番4 4.2%
3位 多治見市宝町3丁目178番3 2.9%
4位 羽島市舟橋町宮北8丁目20番 2.4%
5位 岐阜市加納永井町1丁目20番2 2.2%
1位の岐阜市の地点はJR西岐阜駅に近接しており、
岐阜市や名古屋市へのアクセスが良く、割安感から上昇しました。
2位・3位の多治見市の地点は、多治見駅北の土地区画整理事業が
完了しましたが、周辺で市場に出回る物件が少なく、需要が底堅いです。
4位の羽島市の地点は、岐阜市や一宮市へのアクセスの良さから需要が増加。
5位の地点は岐阜駅の南側の地点で、割安感から上昇しました。
【商業地】
岐阜県の商業地は0.6%(0.3%)と2年連続で上昇しました。
岐阜市は0.6%(0.6%)と横ばい。
上昇幅が上位の市町村は、高山市14.5%(9.6%下落)、下呂市2.1%(1.0%下落)、
多治見市1.3%(1.0%)、岐阜市0.6%(0.6%)、岐南町0.4%(0.3%)でした。
<岐阜県の商業地の上昇率上位5地点>
1位 高山市上三之町51番 28.8%
2位 高山市花里町6丁目25番2外 14.8%
3位 岐阜市玉宮町2丁目9番2 6.4%
4位 岐阜市高野町6丁目13番 4.0%
5位 岐阜市加納清水町3丁目7番1外 4.0%
1、2位は高山市、3,4,5位は岐阜市の地点です。
高山市では、インバウンド観光需要がコロナ前の水準を超えており、
大手資本による新規ホテル開発計画が複数顕在化しています。
3位の岐阜市の地点は名鉄岐阜駅に隣接しており、
名鉄岐阜駅前でも再開発計画が発表されました。
4位、5位は岐阜駅に近い地点で、
JR岐阜駅北口にマンション、商業施設、オフィスの複合ビルが
建設される再開発が予定されています。
三重県
【住宅地】
三重県は0.5%(0.2%)と2年続けて上昇。
上昇幅が大きい市町村は、鈴鹿市1.1%(0.7%)、四日市市1.0%(0.7%)、
朝日町0.9%(0.4%)、津市0.8%(0.5%)、桑名市0.8%(0.5%)でした。
<三重県の住宅地の上昇率上位5地点>
1位 津市南が丘3丁目10番12 4.1%
2位 四日市市堀木2丁目331番 4.0%
3位 四日市市赤堀新町223番 3.9%
4位 桑名市大字矢田字大塚90番2外 3.5%
5位 桑名市大字東方字徳成1601番30 3.4%
1位の津市の地点は高台の住宅街ですが、最寄り駅の近鉄名古屋線
「南が丘駅」に急行が停車することになった影響もあり、上昇しました。
2位・3位の四日市市の地点は近鉄・JR四日市駅徒歩圏内の住宅地です。
近鉄四日市駅の発展の期待と、供給が限定的なため上昇しました。
4位・5位の桑名市の地点は桑名駅西側の高台の住宅街ですが、
住環境が良好で供給も限定的なため上昇しました。
【商業地】
三重県は0.5%(0.2%)と32年ぶりの上昇。
上昇幅が大きい市町村は、四日市市1.7%(1.1%)、桑名市1.0%(0.7%)、
鈴鹿市0.9%(0.5%)、菰野町0.6%(0.5%)、川越町0.6%(0.3%)でした。
津市は0.4%(0.3%)でした。
<三重県の商業地の上昇率上位5地点>
1位 四日市市諏訪栄町212番 6.2%
2位 四日市市鵜の森1丁目238番 4.4%
3位 伊勢市宇治今在家町字中賀集楽47番1外 3.5%
4位 四日市市安島2丁目32番2 3.3%
5位 四日市市諏訪町115番外 3.1%
上位5地点のうち4地点を四日市市が占めました。
四日市市は近鉄四日市駅前・周辺で再開発が進捗し、上昇幅が拡大。
3位の伊勢市の地点は伊勢神宮の観光需要がコロナ禍前の水準に戻り、
上昇が続いています。
さて、前回と今回の2回にわたって、令和7年の地価公示について解説しました。
全国的な上昇基調が続いているものの、
価格高騰や建築費高騰による再開発投資の見直し・慎重姿勢や
住宅の買い控えの影響も見受けられました。
<出典>
・令和7年地価公示 https://x.gd/oarMa
・愛知県 愛知県地価情報(地価調査・地価公示)
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/toshi/0000029550.html
・岐阜県 令和7年地価公示の結果
https://www.pref.gifu.lg.jp/page/422321.html
・三重県 三重県の土地価格〔令和7年地価公示〕
https://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/m0003300084.htm